12月20日、北京大学第一病院感染症科の王貴強(Wang Guiqiang)主任は会議で、「オミクロン株の病原性が著しく低下したことに加え、ワクチン接種の普及により、新型コロナウイルス感染後の死亡に見られる特徴は大きく変化している」と述べた。2020年初頭に武漢で発生し、感染者の大半が新型コロナウイルスによる肺炎で呼吸不全になり死亡したのとは異なり、オミクロン株は、感染後に上気道炎を発症することはあるが、肺炎の割合は少なく、呼吸不全になるケースは非常に少なくなっている。また、オミクロン株感染後の主な死因は、基礎疾患で、新型コロナウイルスによる呼吸不全で死亡した例は、ほとんどないことが臨床の場で確認されている。
王氏によると、新型コロナウイルスによる死亡を科学的かつ客観的に事実に基づき公表するため、国家衛生健康委員会は、専門家を組織して論証し、新型コロナウイルス感染後の死亡に対し明確な分類を行なっている。分類には大きく分けて2つあり、肺炎や呼吸不全を直接の原因とする死亡は、新型コロナウイルスによる死亡に分類される。一方、心疾患や心臓発作など他の疾患や基礎疾患による死亡は、新型コロナウイルスによる死亡には分類されない。
また、新型コロナウイルスによる死亡か否かの判断には、死亡診断書の死因病名で最終決定することが求められる。また、新型コロナウイルスの危険性から目を背けず、同時に科学的に見ることが大切だとしている。
(中国経済新聞)