アップル、サプライチェーンの乱れで年末商戦に支障も

2022/11/11 17:01

アメリカのスマートフォンメーカー・アップルは例年、9月にカリフォルニア州クパチーノの本社で新たな機種を発表しており、その後に海の向こうにある中国の工場で大勢の出稼ぎ労働者が数か月間かけて膨大な数の新品を組み立て、全世界へと出荷されていく。

アップルはこの「カリフォルニアデザイン・中国製造」とのスタイルで、過去10数年にわたりたっぷりと利益を得ている。2021年の売上高は10年前の3倍に達し、時価もこの10年間で600%近い伸びを見せ、去年は一時期2.5兆ドル(約366兆円)を突破した。

ところが、アップルがかき入れ時を迎えている現在、河南省鄭州にあるフォックスコンの工場がコロナの影響を受けたことで、「定石通り」のサプライチェーンに乱れが生じている。約20万人の社員を抱えているフォックスコンの工場は、全世界向けのiPhoneのおよそ85%を生産している。月曜日に「本格的な操業再開に務めているところ」と表明したフォックスコンは11月10日、改めて第四四半期の見通しを発表している。

アップルは今週、高級タイプであるiPhone 14 Proの出荷台数は予想を下回る見込みと表明した。年末商戦にも影響するものと見られる。

市場リサーチやコンサルティングを手掛けるCounterpoint Researchの予想では、鄭州工場の問題により、向こう数週間はiPhone 14 ProとPro Maxの生産量が10%減少するとのことである。

これらの影響によりアップルは株価を落としており、今年に入ってすでに約20%も下落している。

Counterpoint Researchの研究リーダーであるJeff Fieldhack氏は、アップルが中国での製造を分散化するには数年間かかると見ている。「アップルが発表するiPhoneの新機種は、今後数年間は中国で生産されるだろう。インドやベトナムなどにも工場を設け始めてはいるが、組み立てが可能な設備はごくわずかしかない」とのことである。

(中国経済新聞)