11月8日、中国で初めてとなるフランスとの合弁による公務用航空機の運営会社「鷥鷺公務機(Silkwings Jet)」が発足した。浙江省杭州に本社を置き、ダッソーファルコン2000LXSやファルコン6X、ファルコン10Xシリーズを運営する。
「通用航空中国市場予測年報(2001-2040)」によると、2021年7月現在で全世界に22409台の公務用機があり、このうち中国は600台ほどで、2040年にはその数が5倍の3000台に達する見込みである。
中国の公務用機はおおむね自費またはチャーター機として購入され、運営の方式や機種は委託またはチャーター業務が中心で多様化を果たせず、利用率が悪いうえに品種も多くて運行コストが高くついている。
Silkwings Jetはそこで、年間飛行時間が50時間を超える場合は機体の利用権を部分的に購入できようにし、その利用権の年数を定めて一定量の飛行時間数を付与したうえ、これらの権益の譲渡や換金ができる「利用権シェア」といったモデルを打ち出した。一方で年間飛行時間が50時間以下の場合は25時間以内のタイムカードを購入し、その中から飛行時間を使うことになる。
Silkwings Jetの創業者でCEOであるFranck DUBARRY氏は、「コロナの影響で航空業界が世界的に打撃を受けているが、公務用機の需要はむしろ増加に転じている」と指摘し、これがまさに会社を立ち上げた理由であるとしている。
公開データによると、2022年第二四半期、アジア太平洋地域における公務用機の出動件数は去年の同期より25.6%増えている。またダッソー航空の2022年上半期の決算を見ると、ファルコンの受注台数は去年同期より25台増えて41台であり、各地でビジネス移動が回復していることが理由と思われる。
ハネウェルが発表した「世界の公務航空に関する見通し」では、コロナによるスタイルの変化で公務用機は安全で自由、プライバシーが保てると評価され、新規の利用者や購入者が現れて業界需要を伸ばしていると指摘している。2023年から2032年の公務用機の新規納入台数は8500台で、総額2740億ドル(約39.85兆円)分に達するという。
(中国経済新聞)