ここ数日、資生堂が中国の「双十一(ダブルイレブン)」期間中に販売した化粧品「バイタルパーフェクション」をめぐって、中国のネットユーザーが不満を爆発させている。
アリババグループが主催する中国最大のショッピングフェスティバル「天猫(Tmall)ダブルイレブン」の予約販売期間に、中国のトップインフルエンサー李佳琦(リ・ジャーチ)がライブ配信で販売した「バイタルパーフェクション」の価格が、資生堂の旗艦店(フラッグシップストア)より300元(約6000円)も高いという声が消費者から相次いだ。
資生堂の旗艦店が888元(約18000円)であるのに対し、李佳琦(リ・ジャーチ)は、1188元(約24000円)で販売していた。
11月4日夜、資生堂の旗艦店は、888元の価格について「システム障害であり、この注文については一律に返金し、適切な補償を行う」と回答した。
その後、EC機能の付いたSNSアプリ「小紅書(RED)」では、888元のセットを購入したが、まだ商品を受け取っていないユーザーが、注文をキャンセルした上で、資生堂が「バイタルパーフェクション」のセット購入者に対して、同じ商品を無料で贈呈すると決定したと投稿した。
6日、888元で購入した女性は、問題なく商品を受け取り、「無料のバイタルパーフェクション、とっても良い気持ち」と写真を添えて投稿した。これに対し、李佳琦(リ・ジャーチ)のライブ配信では、より高い「定価」で購入した消費者から不満の声が上がっている。
5日未明、あるユーザーは、資生堂が888元で商品を購入したユーザーに対し、全額返金と商品一式の提供を約束したことは、消費者への価格保証と返品権を著しく侵害するとして、「淘宝(タオバオ)」の資生堂公式ショップに対し、価格保証を守り、相応の差額を返金するよう求める訴状を提出した。
数日経過した今でも、中国のネット上で「資生堂888元事件」が収束する気配はない。
1981年、資生堂は世界的化粧品メーカーとして初めて中国市場に参入。同社は、中国でスキンケア、カラーコスメ、美容機器、香水など20品目以上を販売している。2017年以降、中国は資生堂にとって最大の海外市場となっている。
(中国経済新聞)