携程、第2四半期は24億元の最終赤字 反独占処分が影響、入境旅行は高い2桁成長

2026/09/17 11:30

中国の大手オンライン旅行会社、携程集団(Trip.com Group、香港証券取引所:9961、NASDAQ:TCOM)は9月15日、2026年第2四半期(4~6月)の業績を発表した。売上高にあたる純営業収益は前年同期比6%増の157億元(約3,658億円)となった一方、中国当局による反独占処分の影響で24億元(約559億円)の最終赤字を計上した。

同社の発表によると、国家市場監督管理総局(SAMR)による52億元(約1,207億円)の反独占処分が一時的な費用として計上され、一般管理費が大幅に膨らんだ。処分の影響を除けば、第2四半期の純利益は27億元(約629億円)だった。

調整後EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は46億元(約1,066億円)で、前年同期の49億元から減少した。会社側は今回の行政処分を受け入れ、関連する是正措置を法令に基づいて進めるとともに、長期的なガバナンス体制の整備を進めるとしている。

事業別では、宿泊予約の売上高が66億元(約1,537億円)となり、前年同期比6%増となった。反独占処分に関連する売上控除の影響を除けば、8%増だった。

交通チケット事業は54億元(約1,257億円)で1%減少。一方、パッケージツアーなどの旅行事業は12億元(約279億円)で8%増、企業向け旅行管理事業は7億7,100万元(約179億円)で11%増となった。

事業第2四半期売上高前年同期比
宿泊予約66億元(約1,537億円)+6%
交通チケット54億元(約1,257億円)-1%
旅行・パッケージツアー12億元(約279億円)+8%
企業向け旅行管理7.71億元(約179億円)+11%

※円換算は1元=23.284円で計算。

今回の決算で成長分野として目立ったのが、中国への入境旅行(インバウンド)だ。

携程によると、第2四半期の入境旅行関連売上高は前年同期比で「高い2桁」の伸びを維持した。2026年上半期の入境旅行注文数は前年同期比95%増加した。

第2四半期には、携程のプラットフォーム上で入境旅行の注文を受けたホテルが11万8,000軒、観光施設が3,600カ所を超えた。

特に注目されるのが地方都市への波及だ。2026年上半期、入境旅行の注文を受けたホテル数は、3級都市で前年同期比38.3%、4級都市で46.2%、5級都市で47.9%増加した。いずれもプラットフォーム上のホテル事業者全体の33.6%増を上回った。

携程は、国際旅行者の需要が大都市だけでなく、より地方の都市にも広がり、ホテル事業者に新たな需要をもたらしているとしている。

国際事業も高い成長を維持した。携程の国際OTAプラットフォームの第2四半期売上高は前年同期比で50%超増加。アジア太平洋地域が引き続き主要な成長源となったほか、欧州と米州でも、比較的小さい事業規模を基盤により速い成長を記録した。

同社は今後、各国・地域での旅行商品やサービスの供給を拡充し、グローバルなサプライチェーンと現地化されたサービス体制を強化する方針だ。

梁建章・取締役会長は、旅行は引き続き消費者にとって重要な需要であり、旅行者がより個性的で価値の高い体験を求める中で、長期的な成長機会があると説明。「グローバル化」と「高品質」を戦略の中心に据える考えを示した。

中国国内では、春休み旅行やコンサート、スポーツイベントなど、新しい旅行シーンが需要を押し上げている。春休み旅行の試行都市では、家族旅行の予約数と消費額がいずれも前年同期比300%を超える伸びを記録した。また、第2四半期の携程プラットフォームにおける公演・イベント関連の総予約額は前年同期比80%超増加した。

携程は、家族旅行、若年層、アクティブなシニア層、コンサートやスポーツ観戦などの需要を取り込み、少人数ツアーやテーマ旅行、会員向け体験商品の開発を進めている。

AIも同社の旅行サービス高度化を支える重要な基盤となっている。携程はAIを旅行先のアイデア提案、検索、旅程作成、多言語対応、カスタマーサービス、旅行事業者の運営支援などに導入している。

第2四半期には、AI旅行アシスタント「TripGenie」が支援した注文数が前年同期比で約400%増加した。TripGenieのやり取りの約60%が予約につながる内容となっており、ホテル、航空券、観光施設など幅広い商品をカバーしている。

今回の決算では、52億元(約1,207億円)の反独占処分が業績を大きく押し下げ、最終損益は24億元(約559億円)の赤字となった。一方、処分の影響を除いた純利益は27億元(約629億円)で、国際事業や入境旅行、企業向け旅行などでは成長が続いている。

なお、株主帰属の純損失は25億元(約582億円)だった。反独占処分などの影響を除いた非GAAPベースの株主帰属純利益は48億元(約1,118億円)だった。

6月末時点で、現金・現金同等物、制限付き現金、短期投資などを合わせた資金残高は1,005億元(約2兆3,400億円)だった。

孫潔CEOは第2四半期について、携程は底堅い事業運営を示し、入境旅行と「世界から世界へ」の国際旅行が構造的な成長ドライバーとして引き続き勢いを増していると説明。今後は「価値、体験、サービス品質」を軸とした、より健全な旅行エコシステムの構築を目指すとしている。

(中国経済新聞)