シンガポール外食大手、中国市場で相次ぎ撤退 勢力図に変化、中国ブランドは逆進出

2026/07/21 10:45

シンガポールの外食チェーンが中国市場で店舗の縮小を加速させている。ショッピングモールのフードコートとして知られる「フード・リパブリック(Food Republic、大食代)」は6月15日、北京・東方新天地で26年間営業してきた店舗を閉店した。これにより、北京から完全撤退した。

フード・リパブリックはシンガポールのブレッドトーク・グループ(BreadTalk Group)傘下のブランドで、1997年に上海へ進出し、2000年には北京・王府井に1号店を開設した。ピーク時には北京、上海、広州、深セン、成都、重慶など中国主要都市で40店舗以上を展開していたが、現在は上海に4店舗を残すのみとなっている。

親会社のブレッドトークも中国事業を大幅に縮小している。2003年の中国進出後、30以上の都市で店舗を展開し、最盛期には全国で460店舗を超えたが、中国の店舗情報サービス「窄門餐眼」によると、現在は129店舗まで減少した。

このほか、高級シーフードレストランチェーンジャンボ・シーフード(珍宝海鮮)は、中国6都市の6店舗を段階的に閉鎖し、今後は上海市場に経営資源を集中させる方針を示している。ソンファ・バクテー(松発肉骨茶)も、中国で最盛期に6店舗あったが、現在は上海に1店舗のみとなった。シンガポールのパラダイス・グループ(Paradise Group、楽天餐飲)傘下のレストランブランドも事業を縮小し、ほぼ上海に集約している。

背景には、中国市場での競争激化に加え、シンガポール国内の外食業界を取り巻く厳しい経営環境がある。2024年にはシンガポールで3000店以上の飲食店が閉店し、2025年も10月までに2431店が営業を終了した。平均すると1日約8店舗が閉店しており、閉店した店舗の約6割は開業から5年未満、8割以上の事業者が慢性的な赤字経営だったとされる。

商業施設の賃料上昇、人件費の増加、輸入依存による食材価格の高騰など、経営コストが大幅に上昇する一方、消費者の節約志向が強まり、価格転嫁が難しい状況が続いている。

一方で、中国の飲食ブランドはシンガポール市場への進出を加速させている。小売業界メディア「Inside Retail」によると、2025年8月時点でシンガポールには中国の飲食ブランド85社が進出し、店舗数は405店に達した。蜜雪氷城(Mixue)、覇王茶姫(CHAGEE)、楊国福麻辣燙、太二酸菜魚、米村拌飯などが相次いで出店し、シンガポールの主要商業施設で存在感を高めている。

(中国経済新聞)