ポイゾン、WAIC 2026で世界初のAI鑑定ロボットを公開 5秒で真贋判定を実現

2026/07/17 13:00

中国・上海で7月17日に開幕した2026世界人工知能大会(WAIC)で、中国のECプラットフォーム得物(POIZON、ポイゾン、得物App)は、ロボット企業千覚ロボティクス(千覚机器人)と共同開発した世界初のAI鑑定ロボットを公開した。AIとロボットを融合した商品真贋判定システムとして、実用化を前提とした新たなソリューションを打ち出している。

得物は、ブランド品やスニーカーなどの取引において「鑑定してから発送(先鑑別・後発送)」という独自モデルを業界で初めて導入した企業として知られる。長年にわたり蓄積してきた数十億件規模の検査・鑑定データと膨大な実物商品データベースを基に、独自の「AIブレイン(人工知能検査・鑑定システム)」を開発してきた。

同社によると、このAIシステムは商品鑑定に特化して設計されており、高精細画像認識やクロスモーダル情報融合などの先端AI技術を活用することで、商品の質感や縫製、加工精度といった微細な違いを高精度で識別できるという。

現在、AIシステムと専門鑑定士による判定結果の一致率は99.9999%以上に達しており、バッグ、腕時計、スニーカー、アパレル、化粧品など幅広いカテゴリーに対応している。商品データや市場動向に合わせて、システムは継続的にアップデートされている。

今回発表されたAI鑑定ロボットは、この「AIブレイン」とロボットハードウェアを組み合わせたもので、消費財の真贋判定における「フィジカルAI(Embodied AI)」の実用化を目指す。

これまでAIが解析できる高精細画像を取得するためには、商品を人が手作業で持ち替えたり、角度を調整したり、撮影したりする必要があった。新システムでは、ロボットアームが人間の「手」の役割を担い、スニーカーを安定して把持しながら、高精細カメラが「目」として靴本体やミッドソール、インソール、付属品、外箱などを自動で撮影する。

取得した画像はリアルタイムでAIブレインに送られ、画像認識技術によってピクセルレベルで詳細な比較・分析が行われる。約5秒で真贋判定レポートが自動生成され、商品の真正性を迅速に確認できるという。

こうした高精度な判定を支えているのが、得物が長年にわたって構築してきたデータ基盤だ。同社の正規品サンプルデータベースは、25カテゴリー、6,000以上のブランド、10万点以上の商品を網羅しており、それぞれの商品ごとに独自の鑑定基準や判定ロジックを構築。市場の変化に合わせて継続的に更新されている。

得物は、こうした膨大なデータ資産とAI技術を活用することで、商品鑑定の効率化と精度向上を図るとともに、AIとロボットを組み合わせた実体知能(フィジカルAI)の実用化をさらに推進していく考えだ。

(中国経済新聞)