世界のスマートフォン市場が再び減速している。調査会社IDCが発表した「世界四半期携帯電話追跡レポート」の速報値によると、2026年第2四半期(4~6月)の世界スマートフォン出荷台数は2億7750万台となり、前年同期比6.7%減少した。前年割れは2四半期連続となり、市場の回復には依然として不透明感が残っている。
今回の市場低迷の大きな要因となっているのが、半導体メモリ価格の急上昇だ。IDCによると、メモリ部品のコストは前年同期比で約300%上昇し、低価格スマートフォンでは部品表(BOM)コストの65%以上を占めるケースもある。これにより、低価格モデルを中心に展開するメーカーほど収益への影響が大きくなっている。
こうしたコスト環境の変化により、スマートフォン市場ではメーカー間の格差が一段と拡大している。高価格帯モデルを主力とするブランドが成長を維持する一方、中低価格帯への依存度が高いメーカーは厳しい状況に直面している。
メーカー別では、アップルとSamsung Electronicsが、上位5社の中で唯一、2四半期連続で出荷台数を伸ばした。アップルは2026年第2四半期において同時期として過去最高の出荷台数を記録し、年間市場シェアも過去最高水準となる22%に達する可能性がある。
両社が成長を続ける背景には、メモリ供給を早期に確保していたことに加え、製品全体のコストに占めるメモリ比率が比較的低いことがある。高価格帯製品では部品コストの上昇を吸収しやすく、価格競争の影響も限定的だった。
一方、中国スマートフォンメーカーの多くは厳しい環境に置かれている。その中で例外となったのがHuaweiだ。同社は前年同期比20.9%増と大きく伸長した。中国国内市場で価格を安定させた販売戦略、的を絞った販促活動、そして長年培ったブランド力が成長を支えたとみられる。
中国市場全体でも減速傾向が続いている。IDCによると、2026年第2四半期の中国スマートフォン出荷台数は約6601万台で、前年同期比4.3%減少した。これで5四半期連続の前年割れとなる。
特に、中国最大級のネット通販セール「618」期間中も、スマートフォン販売は前年同期比で約15%減少した。メモリ価格の高騰に加え、消費刺激策として実施されていた補助金効果の弱まりが販売低迷につながったとみられている。
IDCは、中国スマートフォン市場について、2026年下半期には出荷台数の減少幅が約20%まで拡大する可能性があると予測している。本格的な回復には時間がかかり、2028~2029年頃に新たな買い替えサイクルが到来することで、市場は再び成長軌道に戻る可能性があるとしている。
(中国経済新聞)
