テンセント、AIが成長を牽引 2025年は増収増益で過去最高更新

2026/03/19 08:30

中国のインターネット大手、Tencent Holdings Limited(騰訊控股)は、2025年通期および第4四半期(10~12月期)の業績を発表し、増収増益を維持した。人工知能(AI)への投資拡大と主力事業の底堅さが、業績を押し上げた。

発表によると、2025年通期の売上高は前年比14%増の7,518億元(約15兆6,000億円)、営業利益は同18%増の2,807億元(約5兆8,000億円)となった。純利益は2,670億元(約5兆5,000億円)、同社株主に帰属する利益は2,596億元(約5兆4,000億円)で、いずれも17~18%の増加を記録した。営業利益率は37%と前年から1ポイント改善した。

第4四半期単独では、売上高が1,944億元(約4兆円)と前年同期比13%増、営業利益も同17%増となり、通年の成長基調を裏付けた。

同社の馬化騰会長兼最高経営責任者(CEO)は、「2025年は堅調な成長を維持した。AI技術の活用により広告配信の精度やゲーム内での利用者体験が向上し、クラウド事業も加速的に成長して黒字化を達成した」と述べた。そのうえで、「潤沢な資金を背景に、AI人材の採用や基盤設備の強化を進めている」とし、大規模言語モデル「混元(Hunyuan)3.0」や各種AIサービスの進展に手応えを示した。

事業別では、主力の付加価値サービス(ゲーム・交流サービス)が売上高3,693億元(約7兆7,000億円)と前年比16%増となった。中でも国内ゲーム事業は「デルタフォース(仮訳)」や「王者栄耀」「和平精英」などの人気作品が寄与し、18%増の1,642億元(約3兆4,000億円)に拡大した。海外ゲームも33%増の774億元(約1兆6,000億円)と高い伸びを示した。

広告を中心とするマーケティングサービスは、AIを活用した広告配信の高度化などを背景に、19%増の1,450億元(約3兆円)となった。利用者の動画サービスや検索機能の利用拡大も、広告表示回数の増加につながった。

金融テクノロジーおよび法人向けサービスは、8%増の2,294億元(約4兆8,000億円)。特にクラウド事業はAI需要の拡大を追い風に、約20%の成長を記録し、収益基盤の多様化が進んでいる。

また同社は2025年、約800億香港ドル(約1兆5,000億円)を投じて自社株買いを実施し、株主還元も強化した。期末時点の現金保有額は4,949億元(約10兆3,000億円)と前年比19%増、自由現金流も1,826億元(約3兆8,000億円)に拡大している。

AI投資を軸に新たな成長領域の開拓を進めるテンセント。広告・ゲーム・クラウドの三本柱を強化しつつ、次の収益機会をどこまで取り込めるかが今後の焦点となる。

(中国経済新聞)