2026年政府活動報告(全文連載ーその4)

2026/03/16 15:30

Ⅱ.第15次5ヵ年計画期の主要目標と重要任務

 「国民経済・社会発展第15次5ヵ年計画の策定に関する中共中央の建議」に基づき、国務院は「中華人民共和国国民経済・社会発展第15次5ヵ年計画要綱(草案)」を立案し、大会に提出して審議を求める。ここに、主要目標・指標、重要な戦略的任務、重要プロジェクトについて簡単に報告をする。

 (一)主要目標・指標

 党中央の「建議」で明確にされた主要目標を貫徹・実施すべく、「要綱(草案)」は20項目の主要指標を具体化して設定した。経済発展の面において、成長、構造、効率をめぐって3つの指標を設定した。そのうち、国内外情勢と各方面の要素を総合的に考慮し、同時に必要性と実現性の両立をはかり、GDPの伸び率を合理的な範囲内に保つ上で年度ごと状況に応じて設定することを提起し、2035年までに1人当たりのGDPが2020年比で2倍となり、中進国レベルに達するための基礎をしっかりとうち固める。革新駆動の面において、イノベーションへの投入とその効果をめぐって3つの指標を設定した。そのうち、R&D費の増加傾向と企業の投資能力を十分に考慮した上で、社会全体のR&D費の伸び率を年平均7%以上とすることを提起し、第14次5ヵ年計画の目標と一致するように保ち、R&D費が減少しないようにする。民生福祉の面において、人民大衆の切迫した切実な問題をよりよく解決するために、雇用、所得、教育、医療、健康、「高齢者・子ども」などにフォーカスして7つの指標を設定した。グリーン化・低炭素化の面において、二酸化炭素排出削減・汚染対策、生態環境保護などをめぐって5つの指標を設定した。そのうち、わが国のNDCに基づき、GDP1単位当たりの二酸化炭素排出量を累計で17%削減することを提起し、重点分野のグリーン化・低炭素化を持続的に推し進める。安全保障の面において、食糧とエネルギーの生産能力をめぐって2つの指標を設定し、国家安全保障の重要な基盤の強化に力を注ぐ。

 (二)重要な戦略的任務

 「要綱(草案)」は第15次5ヵ年計画期における発展の重要な戦略的任務を分野別に説明し、以下の4つの方面を強調している。

 (1)質の高い発展を推進する。新質生産力の発展は質の高い発展をはかる上での内在的要請である。「要綱(草案)」は科学技術イノベーションの先導的役割を強調している。実体経済の基盤強化・拡大に着眼し、先進的製造業を基幹とする現代化産業体系を構築する。ハイレベルの科学技術の自立自強に着眼し、独創的イノベーションと基幹核心技術の研究開発を強化し、「デジタル中国」の建設を踏み込んで推進し、デジタル経済中核産業の付加価値の対GDP比を12.5%まで引き上げる。「美しい中国」の建設に着眼し、汚染対策堅塁攻略と生態系改善を持続的に踏み込んで推進し、グリーンな生産方式・生活様式の形成を加速し、二酸化炭素排出量ピークアウトの目標を期限までに実現することを確保する。

 (2)国内大循環を強化する。外部環境が複雑かつ厳しい状況の中、内需拡大という戦略的基点を堅持しなければならない。「要綱(草案)」に基づき、国内大循環の内生的原動力と信頼性を強化することに着眼し、民生改善と消費促進、「モノへの投資」と「ヒトへの投資」の緊密な統合を堅持し、消費の押し上げに大いに力を注ぎ、対GDP比の個人消費が顕著に向上するよう促し、有効投資を拡大する。わが国の超大規模市場による利益を十分に掘り出すことに着眼し、全国統一大市場の建設をいっそう深く推進し、地方保護主義と市場分断を打破し解消する。質の高い発展の原動力を強化することに着眼し、各種経営主体の活力を十分に引き出し、要素市場化配分の体制と仕組みの整備を加速させる。国内・国際双循環の円滑化に着眼し、世界の要素・市場の資源を総合的に活用する。

 (3)全人民の共同富裕を推進する。中国式現代化は全人民の共同富裕を目指す現代化である。「要綱(草案)」は以下のことに着眼している。◇人口の質の高い発展をはかり、安心して子どもを産み育てられる社会を建設し、人口サービス体系を整備する。◇人民に満足してもらえる教育をしっかりと行い、生産年齢人口の平均就学年数を11.7年に引き上げる。◇「健康中国」とスポーツ強国の建設を加速し、平均寿命を80歳に伸ばす。◇高齢化に積極的に対応し、養老施設の介護用ベッド数の割合を73%まで増やす。◇質の高い完全雇用を促進し、所得分配制度を改善し、社会保障体系を整備する。地域間・都市農村間の格差縮小に着眼し、農業・農村の現代化を加速し、貧困脱却堅塁攻略の成果を持続的に定着させ拡大し、重要生産力の配置を最適化し、人間本位の新型都市化を踏み込んで推進する。人民の精神生活の共同富裕を促進することに着眼し、社会主義の核心的価値観を発揚・実践し、文化事業を大いに繁栄させ、文化産業の発展を加速し、中華文明の発信力と影響力を向上させる。

 (4)発展と安全を統一的に考慮する。安全は発展の前提であり、発展は安全の保障である。「要綱(草案)」に基づき、総体的国家安全保障観を貫徹し、国家安全保障体系・能力の現代化を推進することに着眼し、いくつもの任務・措置を提起した。食糧やエネルギー・資源などの安定供給能力を強化し、食糧の総合生産能力を7億2500万トン前後、エネルギーの総合生産能力を標準炭換算で58億トンに増やす。不動産、地方政府債務、地方中小金融機関などのリスクの秩序立った解消を一体的に推進する。公共安全ガバナンスの水準を向上させ、社会の安全と安定を効果的に維持する。

(三)重要プロジェクト

 「要綱(草案)」は、第15次5ヵ年計画の目標・任務の実施推進をめぐり、戦略性と牽引性、連続性を統一的に考慮して、6方面にわたる109件の重要プロジェクトをうち出した。新質生産力発展のリードにおいて、産業の基盤力・競争力の向上、新産業・新競争分野の育成と発展、最先端科学技術のブレークスルー、イノベーションの基礎力向上をめぐる28件のプロジェクトをうち出した。現代化インフラ体系の構築において、国家総合立体交通網、新型エネルギー体系、新型インフラ、対外開放プラットフォームなどをめぐる23件のプロジェクトをうち出した。都市・農村の融合発展の促進において、新型都市化の建設、農業・農村の現代化の建設をめぐる9件のプロジェクトをうち出した。民生の保障と改善において、社会主義文化の繁栄・発展、質の高い教育体系の整備、「健康中国」の建設、「高齢者・子ども」支援の拡充、思いやり・サービスの改善をめぐる25件のプロジェクトをうち出した。グリーン化・低炭素化の推進において、二酸化炭素排出量ピークアウトとカーボンニュートラル、環境改善、生態系保護・復元をめぐる18件のプロジェクトをうち出した。重点分野の安全保障において、食糧やエネルギーの安全保障などをめぐる6件のプロジェクトをうち出した。これらの重要プロジェクトは当面のみならず、長い先の未来のことをも考慮し、「ハード面の投資」だけでなく、「ソフト面の強化」にも関わっている。われわれは、政府投資による民間参加への牽引を重視し、基盤の強化、脆弱部分の補強、持続力の強化などにおける重要プロジェクトの大きな役割をよりよく発揮させる。

 未来を展望すると、われわれは自信に満ち溢れている。習近平同志を核心とする党中央の力強い指導の下、全国が一丸となって団結奮闘し、必ずや第15次5ヵ年計画の壮大な青写真を美しい現実に変えることができるであろう。

(中国経済新聞)