ASML、過去最高の売上を記録する一方で1700人削減へ

2026/03/16 10:45

オランダの半導体製造装置大手ASMLは、2025年の年間売上高が過去最高となる327億ユーロ(約5兆3000億円、約2588億元)に達した。一方で同社は、管理職を中心に1700人の削減を計画している。発表からすでに約7週間が経過したが、対象となる従業員の多くは、自身が削減対象になるのかどうか分からない状況が続いている。

今回の人員削減は、主に技術部門とIT部門の管理職が対象で、オランダで約1400人、米国で約300人の削減が予定されている。これは同社の世界全体の従業員数のおよそ4%に当たる。

同社の広報担当者はオランダの放送局に対し、「従業員は自分の状況がどうなるのか分からず、『自分にとって何を意味するのか』と不安を抱えている」と述べた。また「現時点では個々の従業員に具体的な説明ができない。すべての人にとって厳しい状況であり、不安が広がっていることは十分理解している」と語った。

関係者によると、同社は4月1日までに組織再編計画の最終決定を目指している。影響を受ける管理職の一部については、新たに設ける技術職への社内配置転換を検討しており、可能な限り解雇を避けたい考えだ。

広報担当者は「解雇人数をできるだけ減らすために最大限努力するが、完全にゼロにすることは難しい」と説明している。

しかし、労使交渉に参加している主要な労働組合は、このスケジュールは現実的ではないとして反対している。オランダ最大の労働組合であるFNVの交渉代表ピーター・レイニールス氏は、「まず対象となる従業員の社内配置転換の方向性を明確にしたうえで、正式な合意に進むべきだ。今の段階で急ぐ必要はない」と述べ、4月1日の期限を「現実的ではない」と批判した。

また、CNVの交渉代表レミー・ビスマンス氏も、今後3週間で合意に至る可能性は低いとの見方を示した。同氏は「早期決着を優先すれば条件が不十分になる恐れがあるが、時間をかければ従業員を守る実効性のある案を作ることができる」と述べ、「強制的な解雇を避けることが依然として最大の目標だ」と強調した。

さらに労働組合側は、同社が人員削減を進める一方で、大規模な拡張計画を進めている点にも疑問を呈している。

3月11日、オランダ南部の都市エイントホーフェンの市議会は、エイントホーフェン空港近くのハイテク産業地区で、同社の第2拠点建設を可能にする都市計画の修正案を可決した。新しい拠点には最大2万人の従業員を収容できる規模が想定されており、現在オランダ国内で働く同社の従業員約2万3000人に匹敵する規模となる。最初の約5000人は2028年初めにも入居する見通しだ。

業績面では、ASMLの2025年の純利益は96億ユーロ(約1兆5600億円)に達した。2026年の売上高は340億~390億ユーロ(約5兆5000億~6兆3000億円)になる見通しだ。2025年第4四半期の受注額は132億ユーロ(約2兆1400億円)と、アナリスト予想を大きく上回った。

一方、米国の輸出規制により、最先端の極端紫外線(EUV)露光装置の中国向け販売が制限されている影響で、中国市場の売上比率は2025年の33%から、2026年にはおよそ20%まで低下する見込みとなっている。

(中国経済新聞)