3月のスペイン・バルセロナ。海風がFira Gran Via展示センターのガラスドームを吹き抜け、会場入口の巨大スクリーンには今年のテーマ「The IQ Era(インテリジェンスの時代)」が映し出されている。会場内ではスマートフォンメーカーのブースに来場者が押し寄せ、ロボットが人々の間を行き交い、スマートグラスやウェアラブル端末が繰り返し試用されている。さまざまな言語が飛び交う中、中国語の使用頻度はスペイン語や英語と並ぶほど多い。
2026年世界モバイル通信会議(MWC)は開催2日目を迎え、中国企業による海外市場向け製品計画の発表が相次いでいる。海外展開の戦略において、中国企業は欧州市場をAI技術の重要な実装先と位置付けている。
主催者のGSMAによると、今年のMWCには約2900社が出展し、中国企業は約350社に達した。米国とスペインに次ぐ規模で、海外企業としては依然として最大級の出展団となっている。出展数は前年の288社から約21%増加した。
こうした中国企業の拡大の背景には、AIとハードウェア技術の集中的な進化がある。過去10年間、中国企業の強みは製造効率やコスト管理、サプライチェーンの整備にあったが、現在はそこにAIの計算力とアルゴリズム開発力が加わり、ロボット企業や大規模AIモデル企業もMWCの舞台に登場するようになった。
米半導体大手クアルコムのCEO、クリスティアーノ・アモン氏はMWCの講演で、「AIは人間とコンピューターの関わり方を根本から変えつつある。将来は人が機器の使い方を学ぶのではなく、機器が人を理解するようになる」と述べた。今後の端末の中心はアプリケーションではなく、常に状況を認識しタスクを実行する「AIエージェント」になるという。
