2月24日、中国商務部は、日本企業・機関に対する新たな輸出管制措置を発表した。20社を「輸出規制リスト」(厳格な輸出禁止対象)に、20社を「輸出監視リスト」(厳格審査対象)にそれぞれ追加した。この措置は、同日より即時適用される。
商務部は、《中華人民共和国輸出管制法》および《中華人民共和国両用物項輸出管制条例》に基づき、日本軍事力の強化に直接・間接的に寄与する可能性のある日本企業・機関を対象としたと説明している。今回の決定は、日本側による「再軍事化」および「擁核企図」への対抗措置であり、完全に正当・合理的・合法であると強調した。
厳格な輸出禁止リスト(20社):輸出完全禁止対象
これらの企業・機関は、日本軍事力強化に直接関与していると判断され、中国原産の両用物項(デュアルユース品目)の輸出が全面的に禁止される。特殊な場合を除き、許可申請も認められない。
- 三菱造船株式会社
- 三菱重工業航空エンジン株式会社
- 三菱重工業海洋機械株式会社
- 三菱重工業エンジン&ターボチャージャー株式会社
- 三菱重工業マリンシステムズ株式会社
- 川崎重工業航空宇宙システムカンパニー
- 川重岐阜エンジニアリング株式会社
- 富士通システムズアプリケーション&サポート株式会社
- IHI原動機株式会社
- IHIマスター金属株式会社
- IHIジェットサービス株式会社
- IHIエアロスペース株式会社
- IHIエアロマニュファクチャリング株式会社
- IHIエアロスペースエンジニアリング株式会社
- 日本電気ネットワーク・センサシステム株式会社
- 日本電気航空宇宙システム株式会社
- 日本海洋連合株式会社
- JMUディフェンスシステムズ株式会社
- 防衛大学校
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
これらの企業への輸出は即時停止。すでに進行中の取引も直ちに中止しなければならない。
監視リスト(20社):厳格審査・実質的ハードル引き上げ対象
これらの企業・機関は、最終ユーザー・最終用途の確認が困難であるため、輸出時の審査が大幅に強化される。主な措置は以下の通り:
- 通用許可(包括許可)の申請不可
- 単項許可申請時には、リスク評価報告書の提出と「日本軍事力強化に寄与しない」書面誓約が必須
- 審査期間は通常の制限を受けず、無期限に延長可能
- 日本軍事関連ユーザー・用途、または軍事力強化につながる用途への輸出は不承認
リスト:
- スバル株式会社
- 富士航空機株式会社(または富士航空技術株式会社)
- ENEOS株式会社
- 輸送機工業株式会社
- 伊藤忠アビエーション株式会社
- 麗達集団控股股份有限公司 ※日本国内では「レダ・グループ・ホールディングス株式会社」または中国系企業としてそのまま「麗達集団控股股份有限公司」
- 東京科学大学 ※2024年に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して誕生した「東京科学大学」の正式名称
- 三菱マテリアル株式会社
- ASPP株式会社
- 八洲電機株式会社
- 住友重機械工業株式会社
- TDK株式会社
- 三井物産エアロスペース株式会社
- 日野自動車株式会社
- 東金株式会社 ※「トーキン株式会社」(Tokin Corporation)の正式日本語名
- 日新電機株式会社
- サンテクトロ株式会社
- 日東電工株式会社
- 日油株式会社
- ナカライテスク株式会社
これらの企業は、核查協力義務を果たせば、監視リストからの除外申請が可能。商務部が核実した上で除外を認める。
商務部の公式説明(記者質問への回答要約)
今回の措置は、少数の日本企業・機関に限定され、中日間の正常な経済貿易往来には影響しない。誠実・法令遵守の日本企業は何も心配する必要はない。リスト以外の日本企業であっても、日本軍事関連ユーザー・用途、または軍事力強化につながる用途への輸出は、既存の対日輸出管制公告に基づき禁止。目的は日本側の「再軍事化」と「擁核企図」を阻止することであり、国際法・国際義務に合致した正当な措置。
この措置は、2026年1月6日に発表された「対日両用物項輸出管制強化公告」(第1号)の具体化・強化版と位置づけられる。1月の公告では「最終用途・最終ユーザー」基準による広範な禁止を宣言していたが、今回初めて具体的な企業名が公表された。
対象企業の大半は、防衛・航空・造船・重工業・エネルギー・素材分野の日本大手で、中国からの重要輸入依存度が高い企業が多い。両用物項には、レアアース、半導体材料、特殊化学品、精密機械部品などが含まれる可能性が高く、日本企業のサプライチェーンに一定の影響が及ぶと見られる。
ただし、中国商務部は「正常な民間取引は影響を受けない」と繰り返し強調しており、軍事関連用途を明確に避ける限り、輸出は可能であるとしている。
(中国経済新聞)
