中国、6Gに向けた重大な進展 光と無線を「1枚のチップ」で融合

2026/02/20 12:15

中国の研究チームが、光通信と次世代無線通信(6G)分野で重要な成果を挙げた。光ファイバー通信と無線通信をまたいで一体的に運用する「光ファイバー―無線一体化融合通信システム」を世界で初めて実証し、データ伝送速度の新記録を打ち立てた。成果は2月19日未明、国際的な学術誌「Nature(電子版)」に掲載された。

「帯域の断絶」を克服

人工知能(AI)データセンターの計算需要の拡大や6Gの進展に伴い、通信インフラには超高速・低遅延・大容量への対応が求められている。しかし、光通信と無線通信は信号構造やハードウェア上の制約が異なるため、いわば「帯域の断絶(帯域幅の隔たり)」が存在してきた。

この課題に対し、北京大学を中心に、鹏城实验室、上海科技大学、「国家信息光电子创新中心」などが共同研究を実施。「光ファイバー―無線一体化融合通信」という新たな概念を打ち出し、250ギガヘルツ(GHz)を超える超広帯域の集積型光デバイスの開発に成功した。

この技術を基盤として構築された新システムでは、光ファイバー通信においては1チャネルあたり毎秒512ギガビット(Gbps)、無線通信においては1チャネルあたり毎秒400ギガビットの伝送を実現し、いずれも既存の公表記録を更新した。

86チャネルで8K映像を同時伝送

論文の責任著者であり、北京大学電子学院副院長の王興軍氏は、「本システムは光通信と無線通信の双方に対応し、耐干渉性能を大幅に高めた」と説明する。研究チームは、6G時代の大規模同時接続を想定した実証実験も行った。86チャネルによるリアルタイムの8K映像同時伝送に成功し、伝送帯域は現行の5G標準と比べて10倍以上に向上した。Natureの査読者は、この研究について「光通信とテラヘルツ通信の融合を前進させる重要な成果だ」と評価している。

中核は「帯域モンスター」級の1枚のチップ

本システムの中核を担うのは、わずか1枚の集積チップである。帯域幅は250ギガヘルツを超え、従来の通信基盤を大幅に拡張する性能を持つ。このチップを基盤に、研究チームは次の3項目で世界記録を更新した。

変調器の帯域幅は250ギガヘルツを突破し、光通信では1秒あたり512ギガビット、無線通信では1秒あたり400ギガビットの伝送を実現した。

特筆すべきは、その「自主開発」にある。主要技術はすべて国産の集積光学プラットフォーム上で実現され、海外の先端半導体製造プロセスへの依存を回避した。半導体分野における新たな競争戦略を示す成果ともいえる。

AIを活用した安定通信

さらに、システムにはニューラルネットワークを活用した新しいアルゴリズムが組み込まれている。従来の方式では複雑な干渉環境下で性能が低下しやすかったが、新方式では有線と無線の切り替え時にも安定した伝送を維持できるという。

今後の目標は、システム全体を1枚のチップに集約する「単一チップ化」である。将来的には、爪ほどの大きさのモジュールが6G基地局の送受信機能を担う可能性もある。

5G基盤の上で進む6G開発

1月21日に行われた国務院新聞弁公室の記者会見によると、中国はすでに5G基地局を483万8,000局整備。全国すべての郷鎮および行政村の95%で5Gが利用可能となり、世界最大規模かつ技術的に先進的な情報通信基盤を構築している。5G利用者は12億を超えた。

標準必須特許の宣言件数では、中国の割合が42%に達している。6G研究も第1段階の技術試験を完了し、300件以上の重要技術を蓄積。現在は第2段階の技術試験が始まっている。

光と無線を横断する今回の融合技術は、6G時代の通信基盤のあり方に新たな方向性を示すものといえる。超広帯域・超高速・低遅延を同時に実現する基盤技術として、今後の実用化と産業展開が注目される。

(中国経済新聞)