2025年深圳市GDPが87兆円に迫る

2026/02/11 08:30

中国の経済大都市として知られる深圳市は、改革開放以来、驚異的な成長を遂げてきた。2025年の深圳市地域総生産(GDP)は約3.87兆元(約87兆円)に達し、前年比5.5%の増加を記録した。これは、全国平均の5.0%や広東省の3.9%を上回る水準だ。

2月9日に開催された深圳市「両会」(人民代表大会と政治協商会議)で、市長の覃偉中氏が政府活動報告を行い、2026年のGDP成長率目標を5%に設定したことを明らかにした。この目標は、外部環境の複雑さと深圳自身の現実を考慮したものであり、経済の安定成長を目指すものだ。

深圳は、北京、上海、広州と並ぶ「一線都市」の一つであり、常に中国経済の先駆者として注目されてきた。2021年にGDPが3兆元を突破して以来、「十四五」期間(2021-2025年)では年平均約5.5%の成長を維持し、一線都市の中でトップの成長率を誇っている。しかし、2025年の成長率は2024年の5.8%から0.3ポイント低下し、2026年の目標もさらに0.5ポイント低く設定された。この背景には、産業構造の不均衡、固定資産投資の減少、外貿の低迷などの課題がある。

深圳の経済構造を産業別に分解すると、明らかな特徴が見える。2025年、第一産業の付加価値は28.04億元で、前年比4.5%減少した。これは農業の比重が低い深圳の特性を反映している。第二産業は約1.45兆元で、成長率4.1%と低迷。2024年の8.3%から大幅に低下した。特に、規模以上工業の付加価値は5.4%増(2024年は9.7%)、製造業は5.9%増(2024年は9.9%)と、成長ペースが鈍化している。

第二産業の低迷は、産業アップグレードの「陣痛期」にあるためだ。深圳は伝統製造業からハイテク産業への転換を推進しているが、グローバルサプライチェーンの変化、総合コストの上昇、自身の変革課題が影響している。2025年、戦略性新興産業の付加価値は1.67兆元に達し、GDP貢献率が43.0%に上昇した。これは、深圳が「イノベーションの都」として、ハイテクや新興産業を支柱に据えている証拠だ。しかし、伝統製造業の苦境が全体の成長を圧迫している。

一方、第三産業は深圳経済の主エンジンだ。2018年以降、GDPに占める割合が60%を超え、2025年は約2.42兆元で、成長率6.3%(2024年は4.3%)と加速した。特に、金融業(12.1%増)、情報伝達・ソフトウェア・情報技術サービス業(10.3%増)、リース・ビジネスサービス業(5.9%増)が牽引役となっている。これらの高端サービス業は、深圳の経済を支える強みであり、成長の安定性を高めている。

2026年は「十五五」計画(2026-2030年)の開局年だ。GDP成長率目標5%を達成すれば、GDPは4兆元を超える見込み。覃偉中市長は、政府活動報告で、固定資産投資の反転上昇を目指し、5%成長を力争すと述べた。また、外貿の安定化、産業イノベーションの突破を強調した。

「十五五」期間全体では、GDP総量を5兆元(約112兆円)超に引き上げ、全社会研究開発投入強度を7%超にする目標だ。これは、深圳が質の高い発展を追求し、イノベーション主導の経済モデルを強化する方針を示している。ハイテク産業の拡大、デジタル経済の推進、グリーン発展が鍵となる。

(中国経済新聞)