複数のメモリチップ企業、2025年通期業績が大幅増益見通し

2026/02/4 08:30

人工知能(AI)関連需要の拡大と、メモリ製品価格の上昇を背景に、中国A株市場のメモリチップ関連企業で業績回復が鮮明となっている。「佰維存儲」、「德明利」、「江波龍」などの主要企業が相次いで2025年度の業績予想を公表し、販売数量と価格がともに上昇する好循環が確認された。とりわけ第4四半期に業績が急伸しており、利益成長と株価評価の同時改善、いわゆる「デービスの二重奏」が現実のものとなっている。

株式市場でも同分野は堅調に推移している。東方財富(オリエンタル・フォーチュン)のデータによると、2025年1月2日から2026年1月29日までの期間に、メモリ半導体関連指数は累計で100%を超える上昇となった。

■ 主力企業が業績拡大をけん引

公表された業績予想によれば、メモリ分野の主要企業はいずれも売上高、利益ともに大幅な増加を見込んでいる。

「佰維存儲」は、2025年の売上高が100億~120億元(約2,100億~2,520億円)(前年同期比49.36~79.23%増)、親会社株主に帰属する純利益は8.5億~10億元(約179億~210億円)(同427.19~520.22%増)となる見通しを示した。

「江波龍」は、2025年通期の売上高を225億~230億元(約4,725億~4,830億円)と予想。親会社株主に帰属する純利益は12.5億~15.5億元(約263億~326億円)(同150.66~210.82%増)、特別損益を除いた純利益は11.3億~13.5億元(約237億~284億円)(同578.51~710.60%増)と、収益力の大幅な改善が見込まれている。

このほか、「德明利」は売上高103億~113億元(約2,163億~2,373億円)(同115.82~136.77%増)、純利益6.5億~8億元(約137億~168億円)(同85.42~128.21%増)を予想。兆易創新も売上高約92億元(約1,932億円)(同約25%増)、純利益約16.1億元(約338億円)(同約46%増)と、堅調な成長見通しを示している。

■ 人工知能需要が需給構造を転換、価格上昇が業績を押し上げ

今回の業績拡大の背景には、人工知能需要を起点とする需給構造の転換がある。「江波龍」は業績予想の中で、2025年第1四半期にメモリ価格が底を打ち、その後は安定から上昇局面に転じたと指摘した。

第3四半期末以降は、人工知能向けサーバー需要の急増に加え、メーカー各社が企業向け(エンタープライズ)製品へ生産能力を振り向けたことで供給が一段と逼迫し、価格上昇が継続したという。同社は高付加価値製品の展開、海外市場の拡大、自社ブランド戦略を強みに、上半期に黒字転換を達成。下半期には利益水準が着実に改善し、第4四半期の特別損益控除後の純利益は6.5億~8.7億元に達する見通しだ。

■ 第4四半期に業績が集中、年末にかけて急伸

2025年後半から業界回復が加速したことで、第4四半期が各社にとって業績の山場となった。佰維存储は、第4四半期単独の売上高が前年同期比105.09~224.85%増となる見込みを示している。德明利も同期間で209.72~294.79%の大幅な増収を予想した。

北京君正も、2025年通期で売上高が前年を上回り、特に第4四半期に高い成長率を記録したとしている。

■ 2026年も価格上昇基調が続くとの見方、

2026年についても、メモリ価格の上昇基調は継続するとの見方が多い。

中銀証券は、2025年にメモリ製品全般で大幅な価格上昇が見られたことを踏まえ、2026年も一段の上昇余地があると分析する。人工知能向けサーバーと汎用サーバーの双方が需要を押し上げており、生産能力の構造転換や複数分野での需要競合が重なり、供給不足と価格上昇が長期化する可能性があると指摘した。

招商証券も、2025年上半期から始まった世界的なメモリ価格の回復が、第3~第4四半期にかけて加速したと分析。足元では2026年第1四半期の各製品価格が想定を上回る前期比上昇を示しているとし、2026年通年でも供給は引き締まった状態が続くと予測している。人工知能需要の成長が生産能力の拡大を上回る中、民生用やニッチ分野のメモリも供給制約や買い急ぎの影響を受け、価格上昇率は平年水準を大きく超える可能性があるという。

(中国経済新聞)