2025年、中国不動産大手万科企業(Vanke)の親会社帰属純利益は約820億元(約1兆8300億円)の赤字となる見通しだ。1月30日夜に発表された業績予想で明らかにされた。この赤字額は前年比約65.7%拡大する。
万科は1991年の上場以来、親会社帰属純利益を順調に伸ばし、2016年に初めて200億元(約4470億円)を突破。2020年には過去最高の415.16億元を記録した。しかし、2021年下半期から不動産業界が深刻な調整局面に入り、業績は急落。2024年は上場以来初の年間赤字を計上し、親会社帰属純利益は約494.78億元(約1兆1030億円)の損失となった。
2024年と2025年の2年間累計では、親会社帰属純利益ベースで約1314.78億元(約2兆9300億円)の巨額赤字となる。
さらに注目されるのは、2025年前三季度の親会社帰属純利益が約280.2億元(約6250億円)の赤字だった点だ。つまり、第4四半期だけで約540億元(約1兆2000億円)の大幅損失が発生した計算になる。
万科は業績悪化の主因を業界サイクルにあると説明。主な要因は以下の通りだ。
不動産プロジェクトの決済規模が大幅に減少、粗利益率が低水準にとどまる。
中国のデベロッパーは通常、期日前販売(プレセール)を行い、引き渡し後に収益計上・利益実現する。プロジェクトの平均サイクルは土地取得から決済まで2〜3年。2025年の決済資源は主に2023〜2024年の販売分と、2025年に消化する現房・準現房在庫で、これらの土地取得時期は2022年以前に集中していた。
しかし、2018〜2021年に万科は土地取得で積極姿勢に転じ、特に2021年上半期の集中供給地では保守路線を一変させ、新規プロジェクト規模と取得額が前年比2倍超に急増。平均取得単価も2018年の5427元/㎡から2021年には6942元/㎡まで上昇した。
これらの高地価プロジェクトが市場に出たタイミングで不動産市況が下落。万科は値下げ販売戦略を余儀なくされ、プロジェクト利益が圧縮された。さらに販売難航で開発リスクが増大し、在庫減損引当を拡大。これが利益をさらに圧迫した。
2024年第2四半期から万科は「主業集中・スリム化・体質強化」戦略を推進し、資産売却による自助努力を強めたが、資産価値の下落局面で大口資産や株式をディスカウント売却せざるを得ず、赤字圧力がさらに増した。
万科は1月30日の発表で「現在も厳しい挑戦に直面している」と認め、今後も戦略的集中、規範運営、テクノロジー活用により業務最適化・構造調整を進め、多様な開発・運営能力を高め、経営改善とリスク解消を図ると強調した。
中国不動産業界の調整は依然深刻で、万科のような大手でも2年連続の巨額赤字は異例。業界全体の回復には時間がかかるとの見方が強い。
(中国経済新聞)
