中国乗用車協会(乗聯分会)秘書長の崔東樹氏が最新に公開したデータによると、2025年通年で中国からメキシコへの自動車輸出は62.52万台に達し、前年同期比で18.05万台増加した。これにより、メキシコは中国自動車輸出の最大目的地国となり、従来首位だったロシア(58.27万台)を初めて逆転した。
この変化は、中国自動車輸出構造の大きな転換点を象徴している。これまで単一市場に依存していた輸出パターンが、多角化・分散化へとシフトしていることを示す。2025年の輸出上位国を見ると、メキシコが首位に立ち、アラブ首長国連邦(UAE)が57.2万台で3位、イギリス、ブラジル、サウジアラビアがそれぞれ4位から6位を占めた。
増量面では、UAEが前年比24.17万台増と最も急成長し、メキシコが18.05万台増で2位となった。一方、ロシア市場については、中国自動車企業がリスク回避意識を高めた結果、輸出量が大幅に減少した。崔東樹氏は「ロシア国内販売は大きく落ち込んでいないものの、2025年の対ロシア輸出は大幅減となった」と分析している。
地域別では、中東、中南米、ヨーロッパ市場のシェアが拡大した。これは、中国自動車メーカーがグローバル市場の多様化戦略を積極的に推進し、単一市場依存を減らし、リスク耐性を強化している証左だ。特に、国際貿易政策の不確実性が高まる中、多角化戦略の重要性が一層強調されている。
しかし、この輸出構造は2026年に再び大きく変わる可能性がある。メキシコ議会は2025年12月10日、中国からの輸入自動車などを対象に、2026年1月から最大50%の関税を課す法案を承認した。12月の単月データでも、UAEが10.64万台(前年比6.78万台増)で月間首位、イギリスが5.48万台(同4.08万台増)で3位となるなど、すでに市場動向に変化の兆しが見られる。
この高関税政策が実施されれば、中国自動車のメキシコ市場での価格競争力が大幅に低下し、輸出量の減少や市場シェアの縮小が予想される。中国自動車企業にとっては、2025年の躍進を維持するための新たな課題となるだろう。一方で、こうした貿易障壁に対し、現地生産の加速や他市場へのシフトなど、さらなる戦略調整が求められる局面だ。
(中国経済新聞)
