国際商品市場では、貴金属および非鉄金属の価格高騰が続いている。12月24日、金・銀・銅はいずれも史上最高値を更新し、インフレへの備えや供給制約、さらに米国の金融政策や通商政策を巡る思惑が相場を押し上げている。
金の現物価格はこの日も上昇基調を維持し、取引時間中に一時1オンス=4,525.70ドルまで上昇、過去最高値を更新した。発稿時点ではやや値を下げたものの、4,498.36ドルと依然として高値圏で推移している。年初からの上昇幅は約1,880ドルに達し、上昇率は70%を超えた。
国際金価格の上昇を受け、中国国内の金製品価格も軒並み値上がりしている。24日時点で、周生生の金装飾品価格は1グラム当たり1,411元となり、前日比で8元、22日比では44元上昇した。老鳳祥は1,406元、周大福は1,410元と、いずれも短期間で大幅な値上がりとなっている。
同日、銀の現物価格も急騰し、取引中に一時1オンス=72.68ドルまで上昇して史上最高値を更新した。発稿時点でも72.06ドルと高水準を維持しており、上昇基調は一段と強まっている。
非鉄金属市場では銅価格も歴史的な水準に達した。世界各地で鉱山の操業停止が相次ぎ供給不足が深刻化する中、トランプ政権による関税政策への警戒感も重なり、ロンドン市場の銅価格は週中の取引で初めて1トン=12,000ドルを突破した。
大手金融機関は、今後も金価格には上昇余地があるとの見方を示している。モルガン・スタンレーは、利下げ継続への期待や米ドル安の進行を背景に、金は引き続きマクロ経済環境からの追い風を受けると指摘し、2026年第4四半期には1オンス=4,800ドルに達すると予測した。
さらにJPモルガンは、より強気の見通しを示し、長期予測を引き上げて2026年末の金価格を5,055ドルと見込んでいる。ゴールドマン・サックスも12月上旬に公表した2026年の見通しで、「基本シナリオでは2026年12月に金価格は4,900ドルまで上昇する」とし、上振れの可能性があると指摘した。各国の中央銀行による金の需要は2026年も堅調に推移し、月平均の購入量は70トンに達すると予測されている。
(中国経済新聞)
