中国政府、日本留学の慎重検討を国民に呼びかけ 

2025/11/16 18:40

中国教育部は11月16日、中国国民に対し、日本への留学計画を慎重に検討するよう呼びかける注意喚起を発表した。背景には、治安の不安定化を指摘する一方で、高市早苗首相の台湾有事に関する国会発言への強い反発があるとみられる。これにより、日中間の人的交流にさらなる影が差す可能性が高まっている。
中国教育部は16日、日本への留学に関する特別な注意喚起を発出した。発表文では、以下の点を強調している。
1、治安情勢の悪化:最近の日本国内では治安が不安定となっており、中国人に対する犯罪事件が多発。中国国民の安全リスクが顕著に高まっている。
2、留学環境の懸念:治安状況および留学環境は「良好とは言えない」状態が続いており、在日中国人留学生の保護が課題となっている。
これを踏まえ、教育部は在日留学生や近日中の留学予定者に対し、「現地の治安情勢を常に注視し、リスク評価を強化、防犯意識を徹底的に高める」よう強く呼びかけた。さらに、「中国国民は日本への留学計画を慎重に検討することを推奨する」と明記。留学希望者に対する異例の警告として注目を集めている。
教育部の担当者は、「留学生の安全を最優先に、必要に応じて帰国や代替留学先の検討を促す」との姿勢を示した。対象となるのは主に短期・長期留学プログラムで、大学間交流や語学研修を含む幅広いケースだという。
この留学警告は、14日の中国外交部による「日本への渡航自粛」呼びかけと連動した動きだ。外交部は同日、中国国民に対し「日本の治安不靖と高市首相の発言により、在日中国人の人身・生命安全に重大リスクが生じている」として、短期的な渡航控えを促した。これにより、航空会社3社(中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空)は日中路線の無料退改対応を発表。教育省の今回の措置は、これを教育分野に拡大した対抗措置と分析されている。

(中国経済新聞)