中国、地方投資拡大へ2000億元(約4.5兆円)の特別債発行

2025/11/3 08:30

中国国家発展改革委員会(発改委)は10月31日の記者会見で、有効投資の拡大を加速するため、新たに2000億元(約4兆5000億円)の特別債券発行枠を設定し、一部の省における投資建設を支援すると発表した。

発改委政策研究室の李超副主任兼報道官によると、地方政府の債務残高限度の中で5000億元(約11兆3000億円)を確保し、このうち2000億元を特別債として活用する。目的は地方の財政力を補強し、実体経済への有効投資を拡大することにある。

李氏は「関係省に対して新たな発行枠を有効に活用するよう指導し、特別債券の発行・使用を加速させる。プロジェクトの早期着工を促し、できるだけ早く実際の成果(実物投資量)を形成していく」と述べた。

さらに、李氏は「新型政策性金融ツール」に関しても進捗を報告。これまでに5000億元(約11兆3000億円)の資金がすべて投下され、約2300件のプロジェクトを支援したと明らかにした。対象となった事業の総投資額は約7兆元(約158兆円)に達し、主にデジタル経済、人工知能、消費関連インフラ、交通・エネルギー施設、都市の地下管網改修などの分野に重点が置かれている。

李氏は「今回の新型金融ツールでは経済規模の大きい省への支援を強化するとともに、条件を満たす重要産業や重点分野における民間投資プロジェクトも後押しした」と強調。今後は地方政府や中央企業と連携し、プロジェクトの早期着工を促進することで、より多くの実体的成果を生み出し、有効投資を拡大、高品質な経済成長を推進していく方針を示した。

(中国経済新聞)