北京と上海、購入制限を緩和も不動産市場の効果は現れず

2025/09/2 07:30

中国の不動産市場は依然として低迷が続いており、2025年8月末の企業決算シーズンにおいて、複数の不動産企業幹部が言及したところによると、2025年4月以降、景気刺激策の効果減退や在庫回収政策の進展が期待を下回ったことで、市場は新たな下落局面に突入している。この状況は政府当局の注目を集め、最近の北京と上海における購入制限の緩和はその一例である。

8月8日、北京では条件を満たす家庭が五環路外で商品住宅(分譲住宅)を購入する際、戸数制限を撤廃する政策を打ち出した。また、8月25日には上海が、条件を満たす居住者家庭が外環路外で住宅を購入する際の戸数制限を撤廃し、独身成人に対しても居住者家庭と同様の購入制限政策を適用すると発表した。

非中心エリアは北京と上海の取引の主要な地域である。中指研究院のデータによると、2025年の1月から7月までに、北京の新築商品住宅の販売戸数に占める「五環路外」の割合は80%を超え、中古住宅の取引戸数でも「五環路外」が50%以上を占めた。また、2025年8月23日までの上海の新築商品住宅(保障性住宅を除く)の取引戸数は2万9700戸で、うち外環路外が1万8000戸以上を占め、全体の60%以上となった。

しかし、北京と上海の購入制限緩和政策は、不動産市場にほとんど影響を及ぼしていない。克而瑞(CRIC)のデータによると、2025年8月の北京の新築商品住宅の月間取引面積は、前月比8%減、前年比19%減となった。市場調査機関の億翰智库によると、上海の新政策発表後の8月26日と27日の2日間、新築および中古住宅の1日あたりのネット契約データに顕著な増加は見られなかった。さらに、克而瑞のデータでは、8月全体の上海の新築住宅取引面積は前月比27%減、前年比45%減と大幅に落ち込んだ。

億翰智库は、北京と上海の新政策は、非中心エリアで既に新たな住宅購入ニーズを持ちながらも戸数制限に縛られていた一部の層に購入機会を提供するものに過ぎないと分析している。不動産市場が早期に安定するためには、より強力な政策が必要であると同智库は指摘している。

(中国経済新聞)