中国の新エネルギー車(NEV)最大手であるBYD(比亜迪)は8月1日、2025年7月の自動車販売実績を発表した。販売台数は34万4296台で、前月(6月)比8.8%の減少となった。前年同月(34万2383台)と比較すると微増となっている。
7月の販売内訳を見ると、乗用車の販売台数は34万1030台。このうち、純電気自動車(BEV)は17万7887台、プラグインハイブリッド車(PHEV)は16万3143台と、PHEVが全体の約48%を占める結果となった。
また、2025年1月から7月までの累計販売台数は249万台に達し、前年同期比で27%の成長を記録している。BYDは2024年に初めて年間300万台の販売を突破しており、今年も記録更新が期待されている。
一方、7月の販売が前月より減少した背景について、業界では複数の要因が指摘されている。まず、6月は多くの自動車メーカーが四半期末の販売促進キャンペーンを実施していたため、7月はその反動で販売が落ち着いたと見られている。また、一部の人気モデルに関しては供給調整や新モデル投入待ちの影響もあるとされる。
BYDは2025年も積極的な海外展開を進めており、日本やドイツ、タイ、ブラジルなどでの販売網拡大を図っている。特にEV市場の急成長が見込まれるASEANや欧州では、現地工場の建設計画も進行中だ。
同社は8月中にも新型EVセダンの発表を予定しており、販売の再加速が期待される。BYDは今後も価格競争力とラインナップの多様性を強みに、グローバルNEV市場での存在感を一層高めていく方針だ。
(中国経済新聞)