中国スマホメーカー、2025年はインドネシアで中高級品の拡大を狙う

2025/01/16 07:30

ASEANで最大の経済規模を有するインドネシアは、スマートフォンの各社がこぞってシェア争いを展開する場になっている。市場リサーチ会社のCanalysによると、2024年第3四半期、インドネシアのスマホ出荷数量は前年同期比11.3%増の870万台で、東南アジア全体の35%であった。このうち中国勢は、低価格品を中心に70%以上のシェアを誇っているが、それでも中高級品分野でシェア拡大を狙う会社が増え始めている。

通信機器大手メーカー・ファーウェイ(Huawei)から独立したスマホブランド「栄耀」(Honor)の南太平洋地域トップである李静氏は1月9日、インドネシア最大のモバイル通信機器販売会社Erajayaと事業提携して高級品市場を狙うと発表した。Erajaya 300~500の店舗で高級品を扱い、ショールームを10か所以上開設すると述べた。栄耀は300ドル(約47500円)以上の中高級品を主対象とし、この分野で3年以内に上位3位に食い込みたいとしている。

サプライチェーンや価格面で強みを持つ中国のスマホメーカーは、インドネシアで過去10年ほど、現地の主要販売会社や物流会社との提携により低価格品でかなりのシェアを獲得した。しかし高級品については、アップルとサムスンが2強という状態である。Canalysのシニアアナリストである朱嘉弢氏によると、インドネシアのスマホは85%が200ドル(約31700円)以下であるが、残り15%の高級品市場はおよそ500万台分で、中国メーカーも十分狙えるという。

2024年のインドネシアのスマホに関する会社別シェアを四半期ごとに見ると、300ドル(約47500円)以上の分野で、サムスンは第1四半期は59%だったが第3四半期には48%に後退し、アップルも10%から9%にダウンしたが、中国勢は逆に31%から43%へ伸ばしている。ただしインドネシア政府は2022年、5000元以上(約10万円以上)のものについては部品のうち35%-40%を国内品とするよう定めるなど、製造の現地化を強く求めている。これにより、アップルのiPhone 16シリーズなどは基準を満たせず販売禁止となる。

栄耀の李氏はこうした問題について、「現段階では現地の安定した工場と提携し、将来的には事業の状況やマーケットニーズ、特に政府の参入基準もにらみながら、現地での生産力の強化に努める」と述べている。同じく中国スマホ大手であるOPPOやvivoは対照的に、現地のサポートを得て競争で優位に立つべく、すでに工場を設けている。

(中国経済新聞)