天津で最大のアウディ販売店「天津永濠奥達汽車販売サービス」が突如閉店となり、1000人以上の客がサービスを受けられなくなってしまった。客の話によると、店内はすでにもぬけの殻であり、ショールーム内の展示車はみな撤去され、影響を受けた人の数は1500人以上という。複数の利用者の話では、点検などのサービスが一切中止となり、数千元~数万元(数万~数十万円)というチャージ金額も利用不可能となっている。また中には、80万元(約1722万円)を払って購入した車を手に入れていない人もいるという。
店のガラス窓には、「天津市永濠奥達汽車銷售服務有限公司」と捺印された貼り紙があり、「かねてからの取引先だった銀行が急に貸し剥がしをしたことで資金不足となり、11月12日をもって営業停止する」と書かれてあった。11月13日にはショールーム内の展示車がすべて撤去されており、中はがらんとしていた。
公開情報によると、この店は2009年に建設され、資本金3000万元(約6.46億円)で投資総額は1.75億元(約37.7億円)であり、建物面積は18000平方メートル、ショールームは3000平方メートルで、天津のアウディ販売店としては最大規模である。
店の利用客の情報では、経営元会社の「永濠」は紅旗と東風ホンダの販売店も持っていて、紅旗の店はやはり同じ日に閉店を伝える貼り紙を掲示し、東風ホンダの店は現在、問い合わせ電話が通じない状態である。
今回の急な閉店についてある業界関係者は、「業界内の激しい競争や値引き合戦が原因ではないか」と指摘している。販売店の運営モデルは通常、まず銀行からの融資で車を購入し、納車されると合格証を担保として銀行に預け、車を売ることで資金を集め、銀行から合格証を取り戻すという流れを講じている。ところが値引き合戦が激しくなる中、特約店としての立場を守るために常に車を仕入れなければならず、一方で投資回収を急ぐために値引き合戦に加わるという店も出ている。これにより資金が一段と減って経営も続かなくなってしまう。
(中国経済新聞)