10月29日、胡潤研究院は「2024長者番付」を発表し、TikTokを運営する中国企業ByteDance(バイトダンス)の共同創業者である張一鳴氏が資産額3500億元(約7.49兆円)で初のトップに立った。張氏の資産額は去年より1050億元(約2.25兆円)増え、この26年間で18人目の長者No.1となり、また1980年以降生まれのゼロからの起業者としては初めての頂点である。バイトダンスは去年、全世界の売上高合計が前年比30%増の8500億元(約18.19兆円)を超え、TikTokも去年はアメリカで売上高が過去最高となる1100億元(約2.35兆円)に達した。バイトダンスはまた、「2023フォーチュン・チャイナトップ500ランキング」で5位以内、「2023フォーチュン・グローバルトップ500ランキング」で50位以内に入っている。
2位は中国の飲料大手「農夫山泉」の創業者である70歳の鐘睒睒氏で、資産額は去年より1100億元(約2.35兆円)減って3400億元(約7.28兆円)であった。会社の今年第2四半期の業績が伸びなかったことで、3年間守ってきたトップの座を明け渡している。
3位はネットサービス大手、テンセント・ホールディングス(騰訊控股)の創業者で最高経営責任者(CEO)のポニー・マー氏(53歳)で、資産額は去年より350億元(約7489億円)増えて3150億元(約6.74兆円)だった。好調だったゲーム、広告、クラウド事業などが会社全体の業績を押し上げている。
また、ランク入りした中で女性の割合は、去年の25.4%から1.9ポイント下がって23.5%であり、このうち7割以上がゼロからの起業である。飲料大手「杭州娃哈哈(ワハハ)集団」創業者の宗慶後氏の娘である42歳の宗馥莉氏が資産額810億元(約1.73兆円)で、香港の不動産最大手、新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)の創業者である郭得勝氏の妻で94歳の鄺肖卿氏 に代わり、女性トップに立っている。
胡潤研究院は1999年から今年まで26年連続で「長者番付」を発表している。それぞれの資産額は2024年8月30日現在のものである。
胡潤研究院のデータによると、今年は資産額50億元以上(約1070億円)の資産家は合計1094人であり、去年より12%(147人)、ピークだった2021年より25%(371人)少なかった。このうち中国本土の居住者が896人(118の都市に分布)、香港・マカオ・台湾の居住者が168人(香港82人、台湾86人)、中国以外の居住者が30人(アメリカ14人、シンガポール12人、イギリス、カナダ、ドバイ、インドネシアがそれぞれ1人)となっている。
また、これら1094人の合計資産額は去年より10%(2.4兆元=約51.35兆円)減って21兆元(449兆円)だった。さらに個人別の資産額について、去年より増えた人は331人で、うち初めて50億元に到達した人数は去年の半数以下の54人だった。去年比で減少または横ばいが964人で、うち50億元を切って今回ランク外となったのは201人だった。さらに、これら1094人の所属業種を見ると、上位5種は工業製品、消費財、ヘルスケア、不動産、食品・飲料となっている。地域別では北京、上海、深センの3都市が多く、上海は今年深センを抜いて2位となった。以下香港、杭州と続いている。平均年齢は去年を2歳上回って61歳だった。
(中国経済新聞)