中国スマホ大手のシャオミはこのほど、国際業務部地域総経理2人を含む社員の規律違反行為について公表した。このうち1人は刑事および民事訴訟の手続きを始めたという。
シャオミの社員によると、この件はかなり前に社内発表されており、訴訟問題となったのは元国際業務部西ヨーロッパ地域総経理の欧文氏で、虚偽の外注業務を計上して莫大な利益を得たことで解雇となったという。
また、同じく国際業務部の中南米地域総経理の陳丙旭氏は、提携会社に巨額のわいろを求め、高級品を受け取ったり、接待を受けたりするなど、莫大な横領行為を働いた。同じく解雇となり、先物権のはく奪や会社の損失分の賠償が命じられた。
これら2人はともに、シャオミにとって重要な市場であるヨーロッパや中南米の事業の責任者である。
シャオミは2019年に国際部で人事異動をしており、欧氏はこの時に西ヨーロッパ地域総経理、陳氏はヨーロッパ地域総経理となり、後に陳氏は中南米地域の総経理に異動した。
シャオミは2023年、海外での売上高が全体の44.9%にあたる1218億元(約2.65兆円)であった。またCanalysによると、シャオミの海外でのスマホ出荷台数について、中東ではメーカー別で2位、中南米、アフリカ、東南アジアなどではいずれも3位以内であった。世界範囲で見ると、51の地域で3位以内、65の地域で5位以内となっている。
また2024年第1四半期について、シャオミの海外での売上高は前年同期比40.3%増の379億元(約8234億円)で、売上高全体に占める割合も50.2%にまで回復した。Canalysによると、シャオミは中東、中南米、アフリカ、東南アジアで前年よりシェアを伸ばしている。うち中東では、出荷数量は2位で市場シェアは7.1%増えて20.9%であり、中南米、東南アジア、アフリカなどは3位で、市場シェアについては中南米は2.0%増えて 15.3%、東南アジアは4.4%増えて16.5%、アフリカは4.5%増えて10.6%となっている。
なおシャオミは、2023年12月に自動車部門で機密画像の漏洩問題が発生しており、「悪意の漏洩およびデマに関する声明」として、「漏洩に関わったメディアや所属メディアの責任を追及する」と発表している。
またシャオミは、自動車部門に在職していた元社員3人が2023年11月と12月、「コンサルティング料」を目当てに、無断で証券会社や投資機関の団体「シャオミ自動車検討会」に参加し、事実とは異なる情報を大量に拡散させて市場を混乱させ、会社の事業に支障をきたしたことを突き止めた。
シャオミによると、これら3人は「社員行動ルール」や会社規定の守秘義務に違反したとして、解雇および永久追放としており、法的責任を追及するとしている。
(中国経済新聞)