「杭州新聞聯播」でAIアナウンサーが放送 本物アナは故郷で年越し

2024/02/14 08:30

浙江省杭州テレビ総合チャンネルのニュース番組「杭州新聞聯播」は、今年の春節休み中、すべてAIアナウンサーにより放送されている。ニュース系の番組では初めての試みである。

番組では、辰年の旧正月明けの初日に「小雨」氏が、その翌日には同じく「小宇」氏がAIアナウンサーとして登場した。いずれも杭州文広集団のAIショートビデオ研究所にて制作されたもので、前者は本物のアナウンサーである雨辰氏を、後者は麒宇氏をモデルとし、イメージも表情も声も本物そっくりである。このおかげで本物アナの2人は故郷で年を越すことができるようになった。

これらのAIアナウンサーは、番組の場面などに応じた形で極めて精巧に作られている。NeRF(Neural Radiance Field)をベースに多様で大規模な演習技術を交え、生き生きした表情や本物と見分けのつかないリアルな人物を作り出し、アナウンサー同然の表情やイメージ、しゃべり方、口の動き、ゼスチャーを演じている。本人の出番はなく、これまでと違って撮影や映像制作が短期間で出来上がるようになった。

2023年7月から稼働している杭州文広集団の研究所は、中国で初めて「企画・取材・編集・リリース」をすべてAIで完成させるものと言われている。

ここでは、500字以内の原稿を30秒以内で音声に変えられ、ハイパーリアリズムによりAIアナウンサーが放送し、映像コンテンツの理解や分析技術も生かしてメディア資源を管理する。マルチなラベルテキスト「ビジュアルのランゲージマッチ」を利用して1:5時間でボタン一つでの映像作成を果たす。

この研究所は現在、AIアナウンサーを20人以上揃え、制作映像は500 + 分間、10以上の番組にコンテンツを配給している。総合チャンネルの映像アカウントなど、モバイルプラットフォームでもAIコーナーを配信しており、さらには杭州市の職業病予防院や工商銀行などメディア以外での業界でも利用されている。

また杭州総合チャンネルは、地元開催だったアジア大会の期間中、14日間連続で1時間にわたる特別生番組「杭州の愛が未来へ」を夜間に放映しており、この中で大会に関する情報サービスコンテンツのスピーディーな制作や、広告の挿入、試合の中継などでAIを全面的に活用している。

(中国経済新聞)