中国、海外通販が好調 欧米で「隠れた需要」を掘り起こす

2023/12/19 14:30

アプリ分析プラットフォーム「App Intelligence」の最新データによると、今年11月、中国発ファッション通販のSheinは全米でのダウンロード件数が前年同月より26%も増えた。また、同じく中国の電子商取引(EC)大手「拼多多」の傘下にある海外通販アプリ「Temu」も16%増え、月間720万件近くになっている。一方で「アマゾン」は27%減の180万件、ウォルマートは2%減で250万件となっている。

研究会社のInsider Intelligenceによると、アマゾンはアメリカでマーケットシェアをこれまで伸ばし続けてきたが、2021年から38%前後で推移し、来年もほぼ横ばいとの予想である。また「ターゲット」、オンラインショッピングの「eBay」、家具販売のWayfairなどのシェアが伸び悩み傾向にある中、TemuやSheinなど新参組が力をつけ始めている。

マーケットリサーチ会社のComscoreによると、アマゾンは月次のアクセス件数が2022年9月には約2.175億件だったが、今年3月には約2.11億件となった。一方Temuは、2022年9月にアメリカに進出してからホームページとアプリを合わせたアクセス数は10倍以上増えており、今年3月には約7050万件となった。またSheinは600万件増えて合計4100万件となっている。

フランスの国有鉄道の傘下会社であるGeodis(ジオディス)の貨物部門リーダー、チャンドラー・ソー氏は、「TemuやSheinなど安価でスピーディーなデザインは西側諸国にとって魅力的であり、アメリカやヨーロッパで『隠れた需要』が掘り起こされている」と述べている。

中国商務省の束珏婷報道官は、12月14日の記者会見で「第四四半期に入り、海外通販のアプリがキャンペーンの実施やアクセス向上、サービスレベルの格上げに取り組み、欧米など各国で人気を集め、買い物シーズンでいい結果を残している」と述べている。

中国商務省はまた業界データとして、11月は一部のアプリで欧米市場での取引額が3倍以上となったと発表した。中国の海外通販は今年急成長をたどり、9月までの取引件数は1.7兆元(約33.94兆円)で、前年同期比では貨物貿易全体の成長率を1ポイント上回る14.4%増となっている。

(中国経済新聞)