インド、製造業振興に向け中国人向けビザ発給時の審査期間を短縮?

2023/11/11 20:30

「インディア・ブリーフィング」紙は9日、関係者による情報として、インド政府は製造業を振興させるため、インセンティブ対象となる製造業に従事する中国人へのビザ発給に際し審査機関を短縮する制度を打ち出したと伝えた。

インド政府は2020年3月に、製造業の振興に向け、中国企業に代わり外国企業の参入を促すための「生産連動型奨励策」(PLI)を打ち出し、さらに同年6月にガルワン川での衝突が発生し、これらにより中国との関係が悪化した。インドは国内企業の保護に向け、現地の中国企業およびその幹部社員への審査をするなど締め付けをし、中国人に対するビザの発給をほぼ停止した。

これによりインドは、現地の中国企業の経営が苦しくなり、さらには外国からの投資や国内産業にも影響が出ている。インディア・ブリーフィングによると、ここ2年間は中国からの投資が減っている。さらにインドの「金融コントロール」によると、PLI事業を全面的に評価する中で、外国企業の幹部がインド政府に対し、中国人のビザ発給の遅延で投資や中国側関係者に支障が出ていることから、審査を短縮するよう求めているという。

ロイターによると、これを受けてインド内政省と外務省が新たな手続きのルールを発表した。インド政府消息筋の話では、「この手続きはPLI担当の職員に配布しており、ビザ審査の簡略化が望める。中国人を対象にしたものだ」と述べた。

インディア・ブリーフィングによると、PLIの総支出額は1.97兆ルピー(約1720億元)で、対象分野は自動車、電池、鉄鋼、繊維製品、デジタル製品、医療機器、ドローンなど14種類となっている。ただし、インド商工省産業国内取引促進局のラジェシュ・シン秘書は、支出額は今のところ340億ルピーにとどまり、対象分野も8種類で、当初の予定には程遠い状態だと述べている。

(中国経済新聞)