中国証券監督管理委員会は10月17日、車載電池を手がける「欣旺達動力」(SEVB)が10月15日に上場指導契約に署名したと発表した。正式にIPOを目指すことになる。
今年7月14日、リチウムイオン電池事業で20年以上の実績があり、中国の深セン市を本拠地とする企業グループ「欣旺達」(Sunwoda)は、欣旺達動力を深セン証取の新興企業向け市場「創業板」で分離上場させると発表していた。欣旺達は、今後も欣旺達動力に対する支配権を維持する。
欣旺達は公式発表で、「欣旺達動力は今回の分離により、新エネ車の燃料電池の開発、生産、販売を手掛ける独立会社として上場し、これによる融資を受けて財力をアップし、燃料電池事業の利益力や総合競争力を引き上げる」と示している。
欣旺達動力は新エネ車業界に燃料電池のソリューションやセルを供給しており、ドイツのVW、ボルボ、ルノー、日産、東風、広汽、上汽、小鵬汽車(Xiaopeng)、理想汽車(Li Auto)などを相手に2022年の電池出荷量が12.11GWh、売上高は130億元(約2662.3億円)近くに達している。
成長を続ける欣旺達動力は、IDG資本、理想汽車、小鵬汽車、蔚来汽車(NIO)、深セン市創新投資集団、尚頎資本、基石資本、日初資本、源碼資本、盈科資本、碧桂園創新投資など様々な事業者から累計で120億元以上の融資を得ている。2023年6月には、国寿股份、中国銀行、建信投資、華泰投資など8社から上場指導前の最後の融資となる計16.5億元(約337.9億円)を獲得し、見積もり額はおよそ355億元(約7270億円)に達している。
(中国経済新聞)