検索大手のバイドゥは10月7日、副総裁でCIOの李瑩(Li Ying)氏が、会長兼CEOの李彦宏(ロビン・リー)氏の直属として、現職の景鯤(Jing Kun)氏に代わりスマートデバイスブランドを手掛ける子会社の小度科技(Xiaodu Technology)のCEOにこの日付けで就任すると発表した。
景氏は本人都合で退任するとのことで、社内ではこれまでの貢献に対する感謝のメッセージもあった。大型連休前に発表された世界会議へのPRメッセージでは、景氏が「大規模言語の時代で小度がスマート生活を一新」という演説を行うと示されていたことから、今回の異動はかなり急だったようである。
李瑩氏は2004年にバイドゥに入社し、自然言語処理、ホームページ検索関連性、spider、複合検索、推薦・カスタマイズ、ナレッジグラフ、AI 構成、バイドゥマップなど様々な事業でリーダーを務めた。また特許を30件以上所有し、中国電子学会科学技術進歩賞の獲得経験もある。
李瑩氏
李瑩氏はバイドゥのCIO在任中、AIや知識管理を軸としたスマートワークプラットフォームを設立し、バイドゥのAIインフラや製品利用に大きく貢献した。今年は大規模言語の広まりを受け、百度如流(INFOFLOW)などで「文心(ERNIE)大模型」をベースにした事業再編を率いてきた。
今年8月に行われた深層学習開発者会議「WAVE SUMMIT」で、李瑩氏は、スーパー助手INFOFLOWを発表し、スマホでのタスク実行、スマートファイル処理、CBI会話式ビジネススマート、スマートコミュニケーションという4つの機能を実演して見せた。
一方、景氏は2014年に入社し、総合検索の製品デザイナーを務め、2016年10月から本格的にDuerメンバーのマネジメントに携わり、2019年5月に副総裁に昇格し、スマート生活事業グループ(SLG)の総経理も兼務した。
バイドゥは2020年9月末に、SLGについて個別融資協定を整えたと発表し、小度科技への絶対的支配権を持つことになった。これにより小度科技は独立することになる。この融資はバイドゥおよびCPE戦略に加えてIDG資本も入り、小度科技はこれにより見積額がおよそ200億元に達し、景氏がCEOに就任した。
小度科技は、中国のIOT市場で重要な地位を占める。スマートスピーカーでの競争の際には自社品を頼りに地位を確保し、のちにスマートイヤホン、学習用スマホ、スマートタブレットなども手掛けた。これまで2度の融資を受けていて、2021年8月にはBラウンドを獲得して見積もり額330億元となり、また今年1月にも国調創新投資などB+ラウンドの融資を得ている。
IDCなどのデータによると、小度科技はスマートスピーカー、学習用タブレット、フィットネスミラーについて中国最大のシェアを誇っている。
(中国経済新聞)