五粮液集団、再生可能エネルギー事業に着手

2023/08/21 20:00

中国は2023年、焼酎の売上が20年ぶりの不況となった。大手酒造メーカー・五粮液のアルコール度数52度の500ml品は、従来価格1499元だったが1000元(2万円)を割り込み、875元まで値下がりした。

五粮液グループは2022年、売上高が前年比11.72%増の739.69億元、株主帰属の純利益は同じく14.17%増の266.91億元だった。

その前の2017-2019年は、売上・利益とも年間20%以上の増加を記録しており、コロナ禍などの影響を受けた2020年も売上は14.37%、純利益は14.67%の増加で、さらに2021年もそれぞれ15.51%および17.15%の伸びであった。しかし2022年の伸び率はここ6年間で最も低かった。

焼酎の伸び悩みを受けた五粮液は、再生可能エネルギーに目を向け、2023年4月に、鍾道遠氏を法定代表者として資本金10億元(約200億円)で「四川五粮液新能源投資有限責任公司」を発足させた。新興エネルギーの技術開発、エネルギーパフォーマンス契約、潤滑油の販売、ガス事業などを手掛け、株式情報によると四川省宜賓五粮液集団の100%出資となっている。

さらに2023年5月26日には、五粮液のパートナー企業が、新エネ車の動力設備を製造する宜賓南木叙岷新能源と、EVのミッションの開発や生産を手掛ける宜賓豊川動力科技への出資を果たした。

さらに五粮液は6月に、四川和光同程光伏科技に出資して太陽光発電を手掛け始めた。

8月には五粮液四川省宜賓集団輸出入会社が、太陽光設備およびその部材の販売、第一種医療機器の販売、エレクトロニクス製品やその材料の販売などを新たに事業対象に加えている。

「中国の酒王」と呼ばれる五粮液が、このように再生可能エネルギー業界に本格参入している。

五粮液は過去にも事業転換を経験しており、マオタイ酒との長年の競争に敗れて2010年に業界トップの座を失ったのち、214種類で2389品目あった商品数を1年間で59種類、406品目に減らした上、製薬、自動車、不動産、化学などの業種に参入している。2022年は売上高739.69億元、純利益266.91億元で、売上高のうちアルコール以外の割合が50%以上であった。

(中国経済新聞)