4万元(約80万円)近い大金をはたいて中国南方航空の広州発オーストラリアのメルボルン行きビジネスクラスに搭乗したが、機内で提供されたのはミネラルウォーター1本だけだった、との情報がSNSに掲載された。チーフパーサーに追加で1本を求めたところ、ボトルに水を汲んで差し出すなどという対応をとられた。機内に用意されたのはビジネスクラスの乗客分の28本であり、オーストラリア便では帰り便の乗客の分を残しておくために食事は出すが水は出さない、とチーフパーサーが説明したという。
これに対して南方航空は7月20日、機内食の数はそれぞれの便により定め、明確な規定はなく、別途必要な場合は係員に申し出るようにと答えた。機内サービスに不満があれば、チケット情報に基づいて報告するとのことである。
ネットに掲載された画像を見ると、このミネラルウォーターは330CC入りのエビアンであり、あるショッピングサイトのフラグシップ店を見ると値段は1箱24本入りで225元(約4400円)、値引き価格は175元(約3400円)で、1本あたりおよそ7.3元(約142円)となる。
航空会社はどこも3年間続いたコロナ禍で赤字続きである。南方航空の財務報告を見ると、2020年から2022年まで、年間でそれぞれ118.2億元(約2304億円)、110.11億元(約2147億円)、336.98億元(約6570億円)の赤字を計上し、3年間で累積565.29億元(約1.1兆円)となっている。こうした苦境を考えれば「コストカット・効率アップ」も理解はできるが、細かいところまで節約に走るようでは乗客の不満も招き、会社のイメージや乗客のリピート率も低下することになる。
(中国経済新聞)