中国の不動産大手「中国恒大集団」は7月17日、2021年度、2022年の半期分および年間の財務報告を相次ぎ発表した。2022年は売上高2301億元(約4.45兆円)、最終赤字額が1258億元(約2.43兆円)で、2021年の最終赤字額6862億元(約13.3兆円)を合わせると2年で8120億元(約15.7兆円)の累積赤字となった。また2022年末現在の負債総額は2.44兆元(約47.2兆円)となっている。
今回の報告発表では、新たに監査法人となった「上会栢誠会計師事務所」が、2021年および2022年の報告に対しいずれも「意見発表できず」とコメントしている。
その理由として上会栢誠会計師事務所は、2021年の報告については経営の存続に複数の不確定要素があること、また社員の一部が離職したという2点を挙げ、期初残高および比較データについて適切な監査根拠が入手できなかったと表明している。
不確定要素について、2021年の最終赤字額が6862億元(約13.3兆円)であり、また2021年末現在の負債が4730億元(約9.14兆円)、流動負債が6273億元(約12.1兆円)、流動借入金が6026.53億元(11.65兆円)、非流動借入金が47.24億元(約913億円)で、現金はおよそ287.76億元(約5562億円)となっている。
また中国恒大は、各種の理由により訴訟や仲裁案件が複数発生しており、これらが経営の持続力を疑問視する大きな不確定要素となった模様である。財務報告を見ると、2022年12月31日現在で対象額3000万元(約5799億円)以上の未解決案件が計1519件あり、対象総額はおよそ3953.96億元(約7.6兆円)にのぼる。
中国恒大は今年1月16日、14年間監査法人を務めてきたプライスウォーターハウスクーパース(PwC)と「縁切り」し、この日を持って発効すると発表していた。
(中国経済新聞)