トリップドットコム、社員の出産支援へ200円を投入

2023/07/8 08:30

中国最大手のオンライン旅行会社「トリップドットコムグループ」は6月30日、「程二代程長礼金」と名付けた、全世界の社員を対象とする育児手当の支給について発表した。2023年7月1日から、入社満3年以上の男女社員を対象に、子供が生まれたら満5歳になるまで現金で毎年1万元(約20万円)を支給するという。

トリップドットコムは社員の出産を後押しするため、この制度により概算で10億元(約200億円)を投じる予定である。

2022年、トリップドットコムの社員のいる世帯で子供が生まれた割合は、2015年に比べて147%増え、このうち第2子については329%も増えている。

中国では、出産時における高額な費用が出生率の低下につながっている。シンクタンク「育媧人口研究」によると、1人の子供を0歳から満18歳まで育てるのにかかる費用は平均48.5万元(約967万円)で、1人あたりGDPの6.9倍である。この数字は、ドイツ(3.64)のほぼ2倍、オーストラリア(2.08)の3倍以上である。

また中国では、出生者数が2017年から減り続けており、2022年は2021年より106万減って過去最低となる956万人であり、人口自体も前年比85万人減とマイナスに転じた。2023年の出生者数は788万人とさらに下がる見通しである。

(中国経済新聞)