旧暦の端午節を含む連休で観光需要が大きく回復した中国は、改めて夏場の観光シーズンを迎える。各旅行会社の統計によると、この夏の行楽客の数は、2019年を完全に上回る見込みである。その中で圧倒的な主力となる家族旅行について、オンライン旅行大手の「トリップドットコム」によると、予約件数は去年の8倍以上に達しているという。
同じく旅行会社の「途牛」(Tuninu)の最新データによると、この夏はタイプとして遠方への泊りがけ旅行をする人が全体の61%に達している。また家族旅行や避暑地への旅行も人気で、これまで全予約件数の中で家族旅行の割合は58%となっている。
「同程旅行」の最新の「2023夏季行楽見通し」によると、この夏は家族旅行が本格的に回復し、客足は2019年の夏を上回ることになりそうである。飛行機も鉄道も、利用者のうち家族連れの占める割合(1-17歳の未成年者を含む)が2019年を上回るという。
この夏は子供や学生、家族での旅行者が完全に戻って来ることになりそうである。「同程旅行」によると、交通機関別に見た利用者数に占める家族連れの割合について、飛行機は10%、鉄道は8%と、ともに2019年以降では最高となる。
家族旅行の予約件数についてアプリ「去哪児」(Qunar)によると、2019年同期の2.6倍で、旅行プラン全体に占める割合は4割近くに達している。またトリップドットコムによると、体験型研修旅行の予約数は2019年を上回っている。
この夏の旅行者数の推移について「同程旅行」の予測では、7月2日前後(小中学校の終業式)、7月下旬から8月中旬、9月3日前後(大学入学式の1週間前)がピークであるという。学生や家族連れの旅行の完全な回復が大きな特徴であり、行先としては広州や北京などに人気が集まっている。
「同程旅行」の行楽に関するビッグデータの分析から、この夏の人出は子供や学生の割合が2019年の同時期を上回る33%以上に達するという。移動のピークは夏休み開始直後と始業式のころであり、また卒業旅行や家族旅行などもこれらの割合を押し上げている。さらに、両親が出稼ぎに出ている「留守児童」による親の勤め先までの移動もかなりの数にのぼる。
(中国経済新聞)