中国の配車アプリ「ディディ」は6月13日、即時配達サービス(俗称「跑腿業務」Pao Tui 業務)を開始した。複数の配送業者を利用する形としており、アプリをクリックすればいずれかを呼び出すことができる。現在は「達達快送」(Da Da Kuai Song)、「閃送」(Shan Song)、「UU跑腿」(UU Pao Tui)の3社と提携しており、「エコノミー配達」、「配達者指定」といった形で小物を即時に配達するもので、対象地域は四川省成都、浙江省杭州、北京など200か所以上に及んでいる。
「跑腿」(Pao Tui )とは、人様のための雑用、両足の労働、奔走などといった意味である。経済成長を遂げている国でここ数年、足を使った業務代行で利益を得るといったサービスが生まれており、インターネットの急速な普及で派生した一種の新興型経済である。
即時配達の一つである中国の「跑腿業務」は現在、すでに多くの業者が参入している。艾媒諮詢(iiMedia Research)によると、2021年の経済規模は131億元(約2562億円)で、2025年には664億元(約1.30兆円)に達し、2018年から2025年まで年平均75.4%の割合で成長していくという。
このサービスへの参入者は2種類に分かれる。一つは「美団跑腿」(Meituan Pao Tui)や「餓了么跑腿」(Are you hungary? )など総合サービスアプリから生まれたもので、豊富なアクセス量や配送規模に支えられている。もう一つは「閃送」や「順豊同城」といった単独事業型で、自社で配送体制を築いたものである。
目下、シェアが多いのは前者の総合サービスアプリ型であり、艾媒諮詢によると、最もよく利用されるのは美団跑腿(60.1%)で、以下「餓了么跑腿」(29.8%)、「閃送」(27.8%)の順である。アンケートによると、利用先を1社か2社に絞っている人が46.8%、数社を利用する人が41.3%となっている。
(中国経済新聞)