殺害された中国人女性留学生江歌の母親、「劉被告が控訴審判決を不服とし再審請求」と発表

2023/06/14 18:00

2016年に東京都で発生した中国人女性殺害事件をめぐり、被害者の江歌さんの母親である江秋蓮さんが6月13日にブログで、山東省高等人民裁判所から訴訟に関する通知書が届いたと綴った。

これによると、生存権をめぐるトラブルについて劉暖曦(Liu Nuanxi)被告(旧名「劉鑫」(Liu Xin)が、山東省青島市中級人民裁判が2022年12月30日に発表した民事判決「(2022)魯02民終1497号」を不服とし、高等人民裁判所あてに再審を求めていた件で、すでに審査を始めているという。

この訴訟は江秋蓮さんが劉被告を相手に起こしていたものであり、2022年12月30日に言い渡された控訴審判決で、劉被告に対し各種損失の賠償金として約70万元(約1363万円)を江秋蓮さんに支払うよう命じていた。

国営テレビによると、この判決は劉被告の訴えを退けて現状維持としたもので、訴訟費用の10760元(約21万円)は控訴人の劉被告が負担するものとし、当事者双方に判決結果が伝えられていた。

江秋蓮さんは6月1日、未払いだった訴訟費用および賠償金など合計69.6万元(約1356万円)がすべて入金したと述べた。また、裁判所側が劉被告に対して支払いをさせるため4度に渡り強制執行をしたとも綴っている。

江歌さん(左)と母親の江秋蓮さん(右)

この事件は、2016年11月3日深夜に東京都中野区で発生したもので、留学生であった劉被告が元交際相手の陳世峰(Chen Shifeng)容疑者とけんかになり、救いを求めて友人の江歌さんの元へ駆け込んだ。江歌さんは劉被告を自宅に入れたが、のちに陳容疑者がやって来た時に劉被告は中から鍵をかけて江歌さんを締め出し、江歌さんは家の外で殺されてしまった。

(中国経済新聞)