中国国際航空(CA)は2023年第一四半期の決算を発表し、売上高は前年同期比で94.06%増えて250.68億元(約4846億円)であったが、収益は-29.26億元(約565.6億円)であり、減少はしたが依然として赤字が続いている。中国の航空会社でも特に収益のよかったCAだが、3年間のコロナ禍で最大の赤字を抱える会社になってしまった。
コロナに伴う規制が緩和されて飛行機の利用者数も急速に回復しているが、国際線の運航再開がさほど進まず、CAの業績も回復が遅れている。CAによると、中国国内ではサーチャージ料込みの航空券価格が2019年を上回るなど順調な回復を示しているが、国際線の運航本数は第一四半期の段階で2019年同期の15%にとどまる。年末には70%まで戻るという。
中国民航局のまとめでは、4月16日の時点で国際線の運行本数はコロナ禍前の29.4%であり、再開が遅れていることで国際線で就航予定だったジャンボ機が国内で競争にさらされ、「奪い合い」となって航空会社の収益が落ちているという。
航空業界の専門家によると、国内各社は利益向上を目指す上で、①国際線の運航再開は海外の感染対策やワクチンの接種状況に委ねられる、②中国国内で競争力を引き上げてシェア向上を目指す、③市場が回復する中で、赤字の削減に向けてコストを抑えて運営効率を引き上げる、④航空業に関連した分野で新たな事業の開拓に努める、といったことが必要であるという。
(中国経済新聞)