山西省太原で21の学校がタブレットの購入を強要 33人が処分され4.97億円を返金

2022/12/31 15:07

中国で、教育のむやみな費用徴収問題の対策を話し合う閣僚間会合の事務局が、「違法徴収の典型例摘発に関する通報」として6件を報告した。

これによると、山西省、河南省、安徽省、浙江省、広東省、陝西省の各教育行政部門が関係部門とともに問題を処理した旨が示されている。

まず山西省太原市で、21の学校が「教育の情報化」の名義で計5207人の生徒にタブレット端末およびその教材を購入させ、「生徒や保護者に対しで特定の補助教材やソフトウェアの購入を強要または示唆してはならない」との規定に違反した。学校側は手に入れた2608.99万元(約5億円)をすでに返金しており、太原市の当局は責任者33人に対して共産党規律違反などの処分を下している。

次に、河南省新郷市の金竜学校と太行中学校が、生徒5711人から授業料を前倒しで徴収した。両校とも「授業料は学年または学期ごとに徴収し、進級前に徴収してはならない」との規定に違反しており、すでに徴収分の7393.2万元(約14億円)を返金した。新郷市教育局はこの2校をけん責処分とし、責任者3人に対し注意処分を下している。

さらに安徽省銅陵市第三中学校で、一部のクラスが家庭委員会の名目で教材やサブテキストの購入費用として会費を徴収していた。「家庭委員会の名義での制服、レジュメ、試験問題などの購入費用の徴取禁止」との規定に違反し、学校は入金した11.64万元(約222万円)をすでに返金した。銅陵市教育体育局は学校をけん責処分とし、責任者2人に対し注意処分などを下している。

浙江省遂昌(Sui Chang)県の遂昌中学校、遂昌育才高校は、中国教育省による「夏休み中は補習授業を行ってはならない」との定めに違反して有料での授業を行った。両校とも納入された65.01万元(約1244万円)をすべて返金しており、遂昌県教育局によりけん責処分が下され、責任者1人が注意処分を下されている。

広東省広州市茘湾(Jia Wan)区では、区の教育局と広州市の慈善団体が共同で「広州市慈善会茘湾教育発展基金」を設立し、入学への前金として個人から計5.6億元(約107億円)の寄付金を集めていた。「生徒の入学に関わる寄付金の徴取は禁止」との規定に違反しており、集められた寄付金はすべて規定通り教育事業に計上され、広州市人民政府の教育査察委員会が責任者に対し事情聴取をしている。

陝西省の西安科技大学は、6つの学部が大学院生192人から卒論発表会の参加料を徴取した。「国の定めた事項以外に生徒から費用を徴取してはならない」との規定違反であり、聴取した20.54万元(393万円)はすでに返金し、責任者が事情聴取を受けている。

(中国経済新聞)