10月31日、男が息子に粉ミルクを買うため、包丁を持って新型コロナウイルス感染症対策のための検問所を強行突破する動画がSNSで拡散された。45秒の映像には、検問所で止められた男が片手にナイフを持ち、もう片方の手でコロナ対策の作業者に対して身振り手振りで「息子が大きくなり急に粉ミルクが必要になった。長い間待っている、今すぐ帰らなければ・・・・・・」と言うのが映っている。その後、男は車のドアを閉め検問所を強行突破した。
報道によると、男は28歳で、河北省保定市白溝新城のカバン工場に勤務しており、同市内に家を持っている。少し前に、家の事情で、男の妻は子供を連れて実家がある同市雄県に帰っている。雄県にある実家は、ちょうど雄県と白溝新城の分岐点にある。
新型コロナウイルス対策のため、男はロックダウンにより市内に閉じ込められ、妻と子供がいる村への出入りは禁止されていた。2日前に実家にあった粉ミルクがなくなり、子供に何を食べさせても食べなくなってしまった。心配になった男は、車で粉ミルクを買いに行き、市内の自宅に残っていた粉ミルクの缶、菜切り包丁、買い物かごを車に積み込み出発した。
しかし、検問所にいたコロナ対策の作業者がなかなか通行させないので、男はナイフを持って強行突破した。
11月1日、河北省保定市白溝新城の公安当局は「ナイフを持った男が息子に粉ミルクを買うため検問所を強行突破した」事件の報告書を公表した。報告書によると、この男はナイフを持って運転したことで関連法規に違反し、一定の社会的損害を与えたことが確認されたが、男の特殊事情を考慮し、100元(約2000円)の罰金という行政処分にとどめた。また、この件をきっかけに、自治体の協力の下、子供の粉ミルク問題も適切に解決された。
(中国経済新聞)