中国とインドネシア、越境QR決済の試験運用を開始

2025/09/17 07:50

UnionPay International(UPI)は2025年9月11日、パートナーと協力し、中国とインドネシア両国の中央銀行の指導のもと、越境QR決済の試験運用を始めたと発表した。

北京で行われた発表式典では、インドネシアのモバイル決済アプリを使った取引のデモンストレーションが行われた。ジャカルタでは、ホワイトリストに登録されたユーザーがインドネシアの統一QRコード「QRIS」をスキャンし、UnionPayアプリやAlipayアプリで決済に成功した。今回のサンドボックス段階では、中国本土の一部ユーザーがインドネシアの4,000万を超えるQRIS加盟店でこれらの中国のアプリを使ってQR決済できる。一方、中国側のUnionPayやAlipayの試験加盟店でも、インドネシアの主要22種類のモバイル決済アプリからのQR決済を受け入れることが可能になる。

この段階では、利用できるのはホワイトリストに登録されたユーザーと加盟店に限られている。サンドボックス段階を終えれば、2025年内に本格運用が始まる予定だ。

越境QR決済の連携は、中国とインドネシア両政府によるG2G(政府間)モデルの主要プロジェクトの一つで、着実に進んでいる。2025年1月には、UPIがインドネシア決済システム協会(ASPI)、Ant International、中国銀行(香港)ジャカルタ支店と覚書を締結。その後も、UPIはインドネシアの4つの交換機ネットワーク(Rintis、ALTO、Artajasa、Jalin)、Ant International、Alipayと個別に協力協定を結び、導入を加速させてきた。

両中央銀行の合意により、中国とインドネシア間のQR決済は、それぞれ現地通貨で決済される。この仕組みによって、両国の利用者はより便利に国境を越えたモバイル決済を利用でき、小売事業者にとっては顧客基盤の拡大にもつながる。さらに、このプロジェクトはUnionPayが業界関係者と協力しながら新たな4者モデルを構築する上で重要な一歩であり、UnionPayは今後も業界全体との連携を広げ、双方に利益をもたらす協力を進めていく。

UnionPayはこれまでに、中国本土以外の19の国・地域の決済ネットワークと越境QR決済の連携を実現または推進しており、今後も国際的な決済ネットワークの拡大を進めていく方針だ。

(中国経済新聞)