25年中国新エネルギー車浸透率、50%到達の見込み

2025/09/12 13:30

2025年前8カ月、中国の新エネルギー車(NEV)販売台数は前年比36.7%増の962万台に達し、新車総販売台数に占める割合は前年比8ポイント増の45.5%となった。中国自動車工業協会(中汽協)が9月11日に公表したデータで明らかになった。このペースが続けば、2025年通年でNEVの国内浸透率は50%に到達する可能性が高いと中汽協は予測している。

NEVの中国市場普及は当初の予想を大幅に上回っている。2020年に政府が設定した2025年目標は新車総販売の20%だったが、現在の勢いでは燃油車を上回る歴史的な転換点に達する見通しだ。2024年の国内NEV販売台数は1158.2万台で浸透率45.3%だったが、2025年前8カ月では国内販売808.8万台、浸透率48%と急伸している。

販売構造では、純電動車(BEV)が再び高速成長軌道に乗った。前8カ月で販売台数は前年比46.1%増の615.8万台となり、NEV市場の絶対的主力となった。一方、プラグインハイブリッド車(PHEV)の販売は346万台で22.8%増と堅調だ。2024年はPHEVが消費者から強い支持を集め、販売台数が83.3%増の514.1万台を記録したが、BEVは15.5%増の771.9万台にとどまった。このシフトは、バッテリー技術の進化と充電インフラの拡大によるものだ。

NEV市場の集中度がさらに向上している。前8カ月で販売上位15グループの合計台数は914.6万台、NEV総販売の95.1%を占め、前年比1.5ポイント上昇した。BYD、吉利、上汽がトップ3で、市場シェア51.2%を握る。BYDの独走が目立ち、NEV専業メーカーとして技術優位性を発揮している。

一方、全体自動車市場では集中度が逆に低下した。上位15グループの販売台数は1949万台で総量の92.3%、2024年同期比0.1ポイント減だ。これは長引く価格競争が業界再編を十分に促せていないことを示唆する。

全体として、2025年前8カ月で自動車販売台数は前年比12.6%増の2112.8万台、国内販売1683.6万台(12.3%増)。8月単月は285.7万台(10.1%増)、国内224.5万台(15.6%増)と好調を維持した。中汽協によると、8月の成長率は予想を上回り、前8カ月総販売が初めて2000万台を突破した。背景には、一部地域での購入補助金再開、個人消費ローン、財政補助金などの政策効果がある。

輸出面でも活況を呈している。前8カ月で自動車輸出429.2万台(13.7%増)、NEV輸出153.2万台(87.3%増)。8月単月は自動車輸出61.1万台(19.6%増)、NEV輸出22.4万台(約2倍増)と爆発的な伸びだ。

輸出上位10社中、NEV専業のBYDが最高成長を記録。8月輸出8.1万台(1.5倍増)、前8カ月63.4万台(1.3倍増)。全体自動車輸出ランキングでは2024年同期の6位から2位に上昇したが、1位のCheryとは16万台以上の差がある。この輸出ブームは、中国NEVのグローバル競争力を象徴する。

(中国経済新聞)