まだまだ残暑の厳しい9月7日(日)、東京の代々木公園近くで行われた「2025チャイナフェス」に、北京生まれの子供2人を連れて参加した。

- 会場前に設けられた入場ゲート。
札幌在住中の2022年、2023年にも同様のイベントに足を運んだが、さすがに今回は「本家」だけあって会場は非常に広く、飲食を中心の多くのブースや大小2か所のステージがあった。また札幌は10月開催で肌寒い時雨に苦しんだが、今回は逆に猛暑に見舞われてしまった。それでも場内は“人山人海”で、極めて盛況だった。


- 各地方政府のブース。
観光関連では、上海などの大都市だけでなく日本人にはあまり馴染みのない地方政府も随分と出展しており、それぞれ地元の民族衣装をまとってふるさと自慢に努めていた。土産物も数多かったが、売値は少々高めで強気な姿勢が見えた。


- ステージのプログラムと催し物。幼い女の子が見事な歌声を披露していた。
札幌のチャイナフェスはビル街の一角の小さなスペースで行われ、時期的な理由もあって客足もやや寂しかった。そのせいか、今回は会場の奥行きに大変驚き、暑さもあってすべてを周り切ることはできなかった。写真のステージもそれなりに楽しかったが、実は別の場所に特大のステージがあることをその後で知った。

- 中国の航空会社のブース。
以前のコラムでも書いたように、中国は観光消費の底上げに力を入れている。日本の「ハッピーマンデー」に近い“小长假”と呼ばれる3連休や、国慶節などの長期休暇には、大勢の行楽客や帰省客が現れる。よってどの航空会社も、ご覧のようなキャッチコピーとともに盛んにPRをしている。


- グルメコーナーのブース。お昼どきとあってどこも行列ができていた。
上記2枚の写真のうち1枚目の「蘭州ラーメン」は、今や日本でも馴染みとなったあっさり味の細麺。2枚目の「タピオカミルクティー」は中国語で“珍珠奶茶”といい、中国にはこのような茶飲料やコーヒーのチェーン店が非常に多い。
カフェなどは私が北京生活を始めた2005年ごろにはスターバックスぐらいしかなかったが、今やそのスタバも含めて店舗が無数に存在する。ちなみに中国語の“麦咖啡”は、麦のコーヒーという意味ではなく、マクドナルドの中国名“麦当劳”のコーヒー、つまり「マックカフェ」のことである。また麦茶は中国語で“大麦茶”と言うが、これは「大きい麦茶」ではなく「大麦のお茶」という意味であり、単に”麦茶”とは言わない。

▲フルーツポンチに“水果捞”と書かれてある。辞書とは全然違う中国語。
このようなネイティブ系のイベントは、表記される中国語もほぼネイティブとなる。中国語学習者としては非常に役立ついい機会である。
この日私が迷った挙句に選んだ昼食は、以下の一品だった。

- 右側にある「冷やし牛肉あえ麺」、“凉拌牛肉面”。唐辛子が十分に利いており、和製中華料理ではなく完全な本場の味だった。
今日の来場者の多くはやはり中国人であったが、欧米系の人たちも随分と多かった上に韓国語も耳にした。逆に日本語はあまり聞こえなかった。厳しい残暑の中でも旺盛な行動力を誇る中国人の姿に、ちょっと根負けしてしまいそうである。
(文:森 雅継)
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【筆者】森雅継、東京都出身、早稲田大学商学部卒。北京在住歴17年で中国人の妻との間に2児、現在は家族4人で千葉県に在住。