中国のロボット産業、2025年に飛躍的な成長

2025/09/3 18:30

中国のロボット産業は、2025年に目覚ましい成長を遂げている。国家統計局の発表によると、2025年5月の工業ロボット生産量は前年比35.5%増の6.9万台、サービスロボットは13.8%増の120万台に達した。この成長は、人件費の高騰や労働力不足、さらには製造業のスマート化を推進する政府の強力な政策支援によるものである。中国政府は「中国製造2025」や「第14次5カ年(2021~2025年)ロボット産業発展規画」を通じて、ロボット産業の技術革新と市場拡大を積極的に後押ししている。モルガン・スタンレーの予測では、2050年までに中国の人型ロボット市場は6兆元(約120兆円)を超え、5900万台の保有量に達する見込みであり、グローバル市場での主導的地位がさらに強固になることが期待される。

中国はすでに8年連続で世界最大の産業用ロボット消費国であり、2020年には製造業におけるロボット密度(人口1万人あたりのロボット台数)が246台に達し、世界平均の約2倍となった。産業用ロボットの応用範囲は、自動車、電子機器、金属加工など52の産業大分類、143の中分類をカバーし、サービスロボットも物流、教育、医療、娯楽などの分野で急速に普及している。このような幅広い応用シーンと巨大な市場需要が、中国のロボット産業の成長を牽引している。

中国政府のロボット産業に対する支援は、2025年の成長の大きな原動力である。2023年1月に工業情報化部など17部門が発表した「ロボット+」応用行動実施計画では、2025年までに製造業のロボット密度を2020年の2倍にする目標が掲げられた。上海市はさらに具体的な目標として、「ロボット関連産業規模を1000億元(約2兆円)に拡大する」と発表し、地域ごとの産業クラスター形成を推進している。長江デルタ地域、広東・香港・マカオベイエリア、京津冀地域などが主要なロボット産業クラスターとして発展しており、特に長江デルタ地域は産業規模で他を圧倒している。

また、政府は補助金や税制優遇を通じて国内メーカーの育成を強化している。たとえば、宇樹科技は2025年に中国移動傘下のファンドやテンセント、アリババなどの大手企業からC輪およびC+輪の資金調達を完了し、投後評価額は120億元を超えた。この資金調達により、同社は研究開発と生産能力の拡大を加速させ、IPOに向けた準備を進めることができた。

(中国経済新聞)