中国経済の新語——下沈市場(シンクマーケット)

2022/05/29 08:00

5 月 26 日、アクセンチュア(ACCENTURE) は「2022 年中国消費者インサイト」報告を発表し、調査対象となった中国人の 7 割以上が、現状に満足しておらず努力によって生活を向上させたいと考えていることが明らかになった。

新型コロナウイルスによって、多くの人が人生の中で何が一番重要なのかを再度考えるようになり、特に家族や健康の大切さが際立った。 同時に、新型コロナウイルスの流行は、人々に消費の意味を見つめ直させ、目先の満足から長期的な幸福や価値観の重視へと転換を促した。

アクセンチュア・グレーターチャイナの戦略・コンサルティング担当マネージングディレクターである張迅氏は、流行によって消費需要がなくなったわけではなく、一時的に保留され影響を受けただけで、中長期的には消費者市場が引き続き有利である。そして、その中でも、約10億人をカバーし、2021年には消費財小売売上高が6兆元近くに達した下沈市場は、企業にとって試金石となるであろうと述べた。

下沈市場(シンクマーケット)は、中国の経済学者による新しい造語で、3級以下の都市(人口の半分が500万人以下)、県、農村部の市場を指す。

「2022 年中国消費者インサイト」報告によると、中国の下沈市場の消費者動向は、下沈市場の消費者がオンライン・エンターテイメントに費やす時間が長いため、下沈市場ほどオンライン・ショッピングが好まれるそうだ。

消費を誘導するSNSソーシャルメディアによる影響力の高まり、その中でも特に短編動画やグッズ付きライブ配信などの新しい販売チャネルが、下沈市場を発展させる余地を与えている。

これに加えて、相対的な供給不足のため、下沈市場における教育、医療、製品関連サービス商品の需要は膨大だ。

(中国経済新聞)