10月14日に開幕したパリのモーターショーで、中国の代表的新興EVメーカーの1社である「小鵬汽車(Xpeng Motors)」が、「海外進出2.0」との計画を発表した。販売先の国・地域の数を現在の30以上から2025年末に60以上とするほか、今後10年間で、海外の販売台数を全体の半分にするとの目標を立てている。
このため小鵬は、ヨーロッパを重点的な市場に定め、他の地域よりも一段と資源を投入し、新型車種やモデルチェンジ版を多数送り込むほか、サービス店のネットワークや実施内容も改善を続けていく予定である。
小鵬はパリのモーターショーで、最新のクルマ「P7+」を披露し、同時に中国で最低価格20.98 万元(約439万円)で前売りを始めた。これについて、「前売り開始から1時間48分後に注文数が30000台を超えた」と発表している。
「P7+」は、販売台数のさらなる上乗せという重責を担う。今年1月~9月の小鵬の販売数は前年同期より21%増しの98561台であったが、この数字は零跑汽車(Leapmotor)や蔚来(NIO)などの新興メーカーに及ばないものである。
小鵬が8月末に発売した低価格タイプの「MONA M03」(最低価格11.98万元=約251万円)は、9月の納入台数が1万台を超え、今年初めてとなる月間2万台到達に大きく貢献した。値段的に見て、「P7+」と同じ路線を歩んだことが功を奏している。
前売り価格は業界の予想以下であったが、小鵬の何小鵬会長は「投資家はこの車の利益率を20%に載せたいと願っている」と述べている。「この車は自動運転のハード面のコスト減や完成車BOMの改善という既定の目標を超過達成しており、技術革新やコスト面でかなりのメリットを備える」とのことである。
「P7+」は、新型の自動運転プラットフォームにおける小鵬初の車種であり、既存車種の「G6」や「G9」などとは異なりLiDARを搭載せず、視覚認知方式を採用している。何会長は2023年第4四半期の決算発表会で、「新しい技術で先進運転支援システム(ADAS)の『XNGP』のハードウェア費用が50%減った。LiDARはないが、先端スマート運転のXNGPに対応している上、天璣5.4.0システムを搭載しており、0速起動やアイドリングもできる」と述べている。
何会長は、「エンドツーエンドの大規模言語モデル(LLM)の主なメリットは、LiDARへの依存度を軽減することで情報の全体的な完全融合が強調されることだ。『P7+』はLiDAR非搭載または小型レーダーというデザインであり、これから車種を更新する際にもこれを踏襲していく」と述べている。小鵬は今後、「P7+」が備えるスマート運転を他の車種にも導入し、2万ドル(約300万円)クラスとしては先端的な運転支援システムとするという。
(中国経済新聞)