2023年、中国の研究開発費は69兆円以上に

2024/10/10 07:30

中国の国家統計局、科学技術省、財政省が先ごろ共同で発表した「2023年全国科学技術経費投入統計公報」によると、2023年は研究開発(R&D)に投じた費用が3.3兆元(約69.1兆円)を超え、3兆3357.1億元(約69.79兆円)であった。前年比増加率は8.4%で、「第14次5か年計画(2021年~2025年)」における「年間平均で7%以上」という目標を上回り、着実な伸びを続けている。

国家統計局社会科学局の統計士である張啓竜氏によると、中国の研究開発費は2012年に1兆元(約20.94兆円)を超え、2019年に2兆元(約41.88兆円)を超え、2022年に3兆元(約62.82兆円)を超えて、現在はアメリカに次ぐ2位となった。こうした勢いは、より強いハイレベルな科学技術を生み出す上でバックアップとなっている。

また2023年、開発経費割合(GDPに占めるR&D経費の割合)は前年より0.09ポイント増えて2.65%であり、この伸び幅も「第13次5か年計画」(2016年~2020年)の年平均である0.02ポイントを上回り、引き続き加速傾向を示している。この割合は国別で12位、OECD各国の平均(2.73%)に迫るものである。

また、社会全体に占める研究開発費の割合を海外と比べると、ドイツ(67.4%)や法国(65.8%)などヨーロッパ勢を上回ってアメリカ(79.0%)や日本(79.4%)に接近し、イノベーションを支えている。

このような研究開発費の拡大は、政府の支援による部分が大きい。中国政府の財政報告によると、2023年の科学技術関連の支出額は前年より867.4億元(約1.82兆円)、率にして7.8%増えて1兆1995.8億元(約25.10兆円)であり、基礎研究や基幹技術の開発をがっちりと支えている。支出額の内訳を見ると、中央政府からの拠出額が3973.1億元(約8.32兆円)で、地方政府が8022.7億元(約16.78兆円)であり、割合にすると33.1%対66.9%である。地方からの支出割合が増えつつある。

(中国経済新聞)