9月29日、小包を満載して珠海を飛び立った豊翼科技製のドローン「豊舟90」が、伶仃洋を飛び越えて深センの赤湾港にしっかりと降り立った。ちょうど100万回目の飛行であった。
積み荷はそこで同じく豊翼製の都市内を飛ぶドローン「空空」に引き渡され、受取人にほど近い配送スポットに降下した。豊翼製のドローンは都市の内外で「低空物流網」を形成し、今や相互接続の新時代を迎えている。
低空物流サービスで暮らしに新たな豊かさをもたらす
今回送られた荷物には、急ぎ必要な本人確認証や部品のサンプルなどものもあれば、生活用品やおもちゃなどもある。竜華大浪に住む陳さん(女性)のパスポートも、このドローンに「搭乗」していた。
陳さんは、「国慶節の連休に子供を連れて海外に行こうと思っていたところ、今日荷物をまとめた時にパスポートが珠海の実家に置きっぱなしだと気づいた。急いでいて、深センにドローンの宅配便があると聞いたのでやってみた。こんなに早く着くとは思わなかった」と話す。
豊翼製のドローンは、これまで100万回の飛行で520万件以上、重さにして計2700トン余りの荷を運び、飛行距離は地球132周分に相当する530万km近くに達している。暮らしを豊かにするための新たな手段をもたらしたということが言える。
都市内外をつなぐ豊翼製ドローンは、低空飛行ネットワークの新たな時代への突入を果たした。
少しでも早く届けるために模索を繰り返した末、一段と効率的な物流サービスの実施を果たす低空スマートネットワークを形成している。
豊翼のドローンは深センで現在、宝安区、光明区、竜華区を配送区域としており(飛行禁止エリアを除く)、南山、竜崗、大鵬、福田、羅湖などへ飛んでいるほか、珠海や中山、東莞までの市外ルートも開通させている。
運営能力やサービス体系を常に改善したことで都市内や都市間のネットワークが形成され、深セン、珠海、中山、東莞を低空で結ぶ物流網を実現し、利用範囲を一段と拡大し運営効率も上がっている。宝安、光明、竜華からドローンで中山や珠海へ荷物を送付することが可能になっている。
ゼロから100万へ 豊翼のドローンが改めて実力を見直される
2016年1月に自社開発のドローンを初飛行させた豊翼。当時は0.5kgだった機体は今50kgになり、輸送距離も当時の10kmから130kmに伸ばしている。
オフショア物流のPW.Orcaを実行中
性能を常に向上させている豊翼のドローンは、農村から都市部にまで範囲を広げ、実証実験から大規模な運営へ発展し、山や海を越えて都市部、平野部、高原、山地、雪国、島にまで飛び立っている。さらにはアジアに端を発してヨーロッパ、アフリカ、南米の計18か国でも現地のパートナーに役務を尽くしている。
積み重ねた飛行回数は100万回。豊翼のドローンの技術力をまざまざと見せつける結果である。
「豊舟90」が深セン湾の人材公園で飛行
豊翼は今なお、深センを中心にグレーターベイエリアで主な都市を結ぶ配送ネットワークの形成に取り組んでおり、地域内の配達時間を2時間圏内としているほか、ここでの実証経験を他の都市や地域でも生かそうとしている。
(中国経済新聞)